「あっつ…、」
太陽の暑い日差し、煩く響くの蝉の声。学校の外の水道で水を汲んでいると、声をかけられた。
「何、してるの…君」
振り向くと、そこには
「あ…ヒバリさん」
「やぁ。で…何してるの、」
もう一度、同じ質問が俺に問われる。
「あぁ…、俺補習なんですよ。で、花壇あるじゃないですか」
学校の隅にひっそりと花壇がある方を指差す。雲雀さんは、あぁ、と納得したような反応をとる。
「花の水やり、頼まれたの」
「はい。夏休みなんで、人居ないんですよ」
「君、暇だね」
「…え、えぇまぁ」
じゃあね。と言って、雲雀さんは、また校内へと戻っていく。
俺は、水が入って重たくなったジョウロを両手で持ち上げ、花壇へと向かう。
「沢田、」
今度は名前で呼び止められた
「え?」
「頑張って、ね」
振り向くと、ふわりと綺麗な笑顔があった。
日差しの強い、真夏の真昼。
あぁ、俺は
貴方の
不意の笑顔が、
好きでした
無謀と知っても、
ちょっぴり切ないツナの片想い。
お題配布元
確かに恋だった
20080718 藍