なんでなんだろうね
変わらず
そこにいるのは六道骸。
俺は骸だとすぐに分かったが、なぜ骸は俺に気づいたのだろう
姿形は前世と違うのに・・
「愛ゆえですよ。綱吉くん」
「俺は綱美だ・・っ」
ニコニコ笑う骸に不快感を覚えた
それに心読まれてる・・・
「でも良かったです。綱吉くんのときの記憶があって・・・綱美くん?」
「・・・何の用?」
「何故そんなに警戒するのです?綱美くん」
「別に・・俺の知ってる骸と何か雰囲気が違ったから」
きょとんと目を見開いてこちらを見る
やっぱり転生すると性格も変わるのだろうか
俺の知ってる骸は今よりほんわかしていて変態だった
目の前にいる骸は、何か冷たい気がする
「・・・かっこいいと思いますか?」
「は?」
前言撤回
何も変わらない
変わろうとしているんだ。骸は
「実は僕、前世で綱吉くんにもう少しクールな方がかっこよかったと言われて!!
でも今更変わることなどできなくて!せっかく廻ってこられたんですからクール&クールに決めようと!!」
骸は一人でバックに赤いバラを咲かせたり、青いバラを咲かせたり・・・楽しそうだ
一人で漫才できるよ。うん。俺が保障する
だけど
だけど、変わらないっていいと思う
「骸はそのままでいいよ」
ふっと笑う
骸は安心したように笑った
「あ、そういえば今、骸とクロームってどういう関係?・・いや、凪か」
「家族みたいなものですよ。孤児院で会いました・・・凪は記憶持ってないようですし」
「あぁ、そうだね・・髪型もパイナップルになってないし、雲雀さんと両思いだし」
少し俯いた
笑おうとしてもなぜか笑えないからだ
きっと今は不細工な顔をしているだろう
すると、ぎゅっと暖かいものに包まれた
「僕は・・・僕は、昔も今も貴方を愛しています・・・それじゃ、駄目ですか?」
「骸・・・」
背中にふわりと腕を回す
そして思いっきり立ちブリッチをするように背中を沿った
ゴツン!
少々痛い音が聞こえる
「つつつつ、綱吉くん!?」
涙目になりながらバタリと倒れこむ骸
俺は精一杯冷めた目で骸を見つめた
「ごめん、俺ホモじゃないんだ。俺普通に、女の子好きだし」
ショックと驚きで口がパクパクしている
そんな骸に苦笑しながら背中を向け、家に帰る通路に足を動かす
「あい、かわらずですね・・・」
ポツリと、骸の小声が聞こえた
何かスッキリした気分になった―。
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