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暗いところから
転校生と転校生





「ユリィ・ペッロ・・・よろしく」

「空実鈴奈でぇーす!好きなものは甘いものとかわいいもの!よろしくねぇ!」



ユリィ(リロ)がここに来ることは知っていた




だけど・・・

もう1人はどちら様?




見た感じ、リロと関係があるようには見えない


偶然か・・





何か嫌な感じがする






リロは俺の隣の席になった



「・・・よろしく」

「よろしくねユリィさんっ」



あくまで初対面のふりらしい

しばらくは単独行動するとのこと



ちなみに口数は少ないがリロだ

リロがユリィの真似をしている




皆が空実さんの席に集まるのに対して、リロの席にはごくわずか・・

ほとんど女性が集まっていた


空実さんの席には男子が、何故か獄寺くんと山本もいる



獄寺くんは昨日、予定より早くこっちに戻ってきたみたいだ



「ねぇユリィちゃんはどこから来たの?」

「イタリア」

「なんかいい匂いするね!シャンプー何使ってるの?」

「知らない」

「どうして規定の制服じゃないの?」

「まだ制服が届いてないから」

「ユリィちゃんかわいい〜vv」



俺の隣でリロが質問攻めにされている

リロは丁寧にそれに答えている


余計なことは起こさないでほしいが・・








ぽわ〜ん






なんか変なにおいがする


香水・・かな?



すごくキツイ匂いだ





ちょうど昼放課だったので教室を飛び出した










屋上に出ると大きく深呼吸をした




せっかくの快晴なのに屋上には誰もいない












「・・・リロか」

「よく分かったね。さすが」



扉のところにリロがいた



「ねぇリロ・・」

「教室何か匂わないか?・・でしょ?」

「うん」

「あれは空実がつけてる香水の匂いね。つけすぎにも程があるっての」



はぁとため息をついてこちらに歩いてきた

俺はフェンスに寄りかかる



「でもあの匂い変だ。何かの薬品とか入ってる」

「・・・確かに、入ってる気がするかもね。だけど私にはさっぱりだわ」

「害がなければいいけど・・そういえば、空実ってリロの知り合いとかじゃないよね?」

「初対面よ。偶然で・・びっくりしたよ本当に」



クスクスと笑った

俺も釣られてふっと笑う



「あ、そうだ。昼一緒に食べない?弁当持って来ちゃったんだけど」



弁当箱をひょいっと見せた

俺は頷いてぺたんと座り込んだ




「いただきまーす」






風呂敷を解くとき、何かリロが言ったような気がしたが、風の音でよく聞こえなかった










































『空実鈴奈には気をつけて』






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