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雪少年
体育大会





「体育大会?」


キョトンと黒板を見つめる

体育大会ってどういうものなんだろう


くいっと袖がひっぱられる

犯人は山本


「なぁツナは何に出るんだ?」


にかにかと笑ってくる

゛体育大会には出ない方がいい"

恭弥の言った事が頭をよぎる

そういえば恭弥はそんなことを言っていた


「俺、体育大会には出られないんだ・・」

「え・・あぁ、そっか。ツナ体育のときはいつも休んでるもんな」

「あぁ、うん」


体育と体育大会に何のつながりがあるのかまだ俺にはわからなかった

体育大会は1週間後

俺は日陰で見学でもしとこう


























体育大会当日




「体育大会って運動会のことだったんだ」


皆が一生懸命走ったり、障害物を避けたり

すごく楽しそうだった

俺は妖怪だけど、走ったりしたことはあまりないから全然体力がない


「楽しそうだなぁ」


テントから見つめる俺

そこに黒い人影が見えた


「恭弥っ」


ぱぁっと笑顔になる


「僕は出ちゃ駄目とは言ってないよ」


顔はこっちに向いていない

俺は恭弥を見て何を言ったのか考える

そしてようやく分かった

これはつまり゛出たかったら出れば?"


いわゆるツンデレですね!わかります!


俺はクラスの方に走って少しだけ出ちゃ駄目か聞いてみたところ、許可を得た

出る種目は200m走

体力がない俺にとっては苦しいが、皆と一緒に走れることが嬉しい

スタート位置についてピストルがなるのを待つ


パァンッ!


勢いよく土を蹴って走り出す

50mも行かないところでばてた

それでも必死に足を動かそうとする

(氷・・・氷が欲しい)

氷があれば力も少しは出てくる

だが今は無理だ

ゴールが近づいてくる

白線を踏むと同時に俺は体を地面にくっつけた

走って近づいてくる山本、その後から恭弥もものすごい速さで近づいてくる


「お、おいツナ大丈夫か?」


山本の手が俺の体に近づいてくる


「さわるな!」


ガバッと起き上がり山本を睨む

山本は目を見開いたまま固まっている

俺はハッと我にかえった


「ご、ごめん山本・・・」


山本の後ろには恭弥がいた

恭弥もさっきの俺の行動に驚いたのか少し変な顔をしていた

手には大量の氷

俺は恭弥の元に行き、氷を取った


「山本、さっきはごめん」

「あぁ、いやいいんだ」


少し悲しそうな顔をしていたのを俺は見逃さなかった

すぐにいつもと同じように笑っていた

俺はテントに戻り、氷をパクパクと食べ始めた


「おいひい」


俺は恭弥ににこりと笑った

すると恭弥もフッと笑ってくれた






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