雪少年
氷
恭弥と他の男達を俺の家まで運んだ
俺の家は山の中の人が通らないところにある
男たちはクローゼットの中に押し込み、恭弥は俺の目が届くところに置いた
「ごめんね恭弥。待ってて」
手袋をつけた手で恭弥の頭を撫でる
しかしどうやって氷をとかせばいいのか分からない
外側から凍ったなら普通の熱でも溶かせる
だけど内側ではできない
熱いところに置いても溶けない
俺は図書館に行って「雪女」のことについて調べ始めた
俺は雪少年だが、それは俺が子供の見た目をしているからなだけで
一般的には雪女が有名なのだ
雪女の事を調べれば、氷を溶かす方法が分かるかもしれない
どうやら学校では恭弥が失踪したと大騒ぎになっていた
風紀委員会は一時的に解散で学校の皆は喜び合っていた
俺は学校側にしばらく休むと伝えた
何も喋らない恭弥との生活には意外になれた
元々恭弥は口数が少なかったから
「恭弥、おはよう」
挨拶は欠かさない
答えてくれなくてもいい
今の俺には貴方への罪悪感でいっぱいだ
これは俺への罰
いや、まだ罰の序の口
これからきつい罰を恭弥から与えてもらうんだ
「その前に恭弥を元に戻さないとね」
クスリと笑う
でもなかなか方法が見つからない
どうしたものか・・・。
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