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雪少年
雪少年





「ひぃぃぃい!」

「ばっ、化け物ぉぉ!!」


大きなリュックを持ち、急いで走り去っていく男が2人

その姿を見て無邪気に笑う少年が1人


「あははは!面白い、面白い!」


腹を抱えて大きく口を開けている

その少年は真夏だと言うのに、白い着物に手袋とマフラーをしている

少年の周りにあるものは凍っている木が何本か立っている

男達が悲鳴をあげて去っていった理由でもある


少年の笑いが収まると、寂しそうな顔をして呟いた


「・・・つまらないよ」

































最近、並盛で噂になっている『雪少年』

この21世紀に妖怪だのお化けだのばからしい

僕はそんなもののために調べてるわけじゃない

木を凍らして自然破壊するなんて許せないだけだ



雪少年とやらが出る場所は並盛山

今から自然破壊をする奴に粛清しに行く



しばらく歩いていると笑い声が聞こえた

子供の声だ

気になり笑い声がする方に歩き出した


すると笑い声がやんだ


枝を掻き分けるとそこに彼がいた

真夏にもかかわらず暑い格好をしていていかにも怪しい

きっとこの子が『雪少年』と呼ばれている子


「君が雪少年?」


雪少年は首をかしげた


「貴方、誰?」

「僕は雲雀恭弥」

「ふぅん」

「君、自然破壊って知ってる?」


雪少年の周りは凍っているものばかり。木に落ち葉に土


「こんなの少しすれば溶けるよ」

「・・・そう」


すると僕に背を向けた


「僕は粛清しに来た、だからここで粛清してあげるよ」


肩が揺れている

怯えているのかと思ったが違った、クスクスと笑っていた


「貴方、面白い人。これで許してくれる?」


くるりと振り返った少年は手に持っているものを差し出す

ヒバードの形をした氷

僕はそれを受け取った


「よくできてるじゃない」


氷を瞬時にして出した

そういうものの類は信じていなかったが


「君、妖怪なんだ」

「そうだよ。何か悪いことでもある?」

「別にないよ」

「そう、じゃぁ・・・」


またくるりと反対側を向き、去っていった



学校に戻ると草壁が「いいことでもありましたか?」と聞いてきた

いいこと・・・ねぇ

本当に妖怪がいた、そのことに喜びを感じているのかも知れない






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あきゅろす。
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