[携帯モード] [URL送信]

どんな姿でも
食べ物の恨み





地面には3つの影がくっついて並んでいる



「や、山本・・獄寺くん・・・くっつきすぎだって・・・」



綱吉の腰には獄寺の手が回り、綱吉の方には山本の腕が回っている

少し汗ばむ背中。このはさまれた状況はとても暑い



「んー?そうか?普通だと思うけどな」

「そうっすよ沢田さん、友達同士なんですから」

「でも、ものすごく暑いんだけど・・・」



これはさすがに綱吉でも気づかなければおかしいという状況だ

どうみても2人は下心が丸見え・・・いや、セクハラをしている



それに気づかない綱吉はどこまで鈍感なのやら





3人は並盛公園の手前を通りすぎる




が、綱吉がアイスクリーム屋を見つけた




「あれ、アイスクリーム屋がある。ちょっと食べていかない?」



指をさして2人を誘った


山本はブルーハワイ

獄寺はレモン

綱吉はバニラ



3人はそれぞれ違う味を買った




「山本のは何味?はじめてみる色だけど」



不思議そうにアイスを見つめる綱吉

山本は気づかれぬようににやりと笑うと



「ブルーハワイ。食ってみるか?」



さわやかな笑顔で言った

獄寺は先を越されたといわん馬鹿に騒いだ




「沢田さん!こっちのレモンはおいしいですよ!山本のよりこっちを食べてください!」

「ご、獄寺くん!?」

「ツナはこっちを食べたいって言ったのな。わざわざレモン食うわけにはいかねぇだろ?」

「そんなこと言ってないはずだけど!?」




火花が二人の間から散り始めた




(早く食べないとせっかくのアイスが溶けちゃうよ・・)



綱吉はそんなことを思いながら必死に2人を止めに入った



しかし2人は綱吉の注意も聞かず、揉めあう




「・・はぁ〜」



バニラが溶けてしまうので、2人のことを後回しにしてバニラを舐め始めた






一方山本と獄寺は、痴話喧嘩ではなくこぶしで語り合っていた



「この野球馬鹿!自惚れにもほどがあるぜ!」

「それはこっちのセリフなのな!ツナが引いてるぜ」

「なっ!?なんだとぉーっ!?」







どんっ



べちゃっ






獄寺は山本の胸元を掴んだまま固まった

同じく山本を掴まれたままツナをポカーンと見つめている




「・・・」




獄寺のひじが綱吉の腕にあたり、バニラがべっちゃりと綱吉の顔にかかったのだ



それも溶け出しているバニラアイス


とろとろと鼻や口、頬からバニラアイスが垂れてきている





「「(萌え!!!)」」



山本と獄寺は鼻血が垂れるのを必死に抑えていた






「・・・せっかくのアイスが」


「「えっ?」」




ゆらゆらと綱吉は2人に近づいた

そして―・・・




「せっかくのアイスがーっ!!」



涙目になりながら二人の腕を掴み、一本背負いを決めた

勢いよく叩きつけられた二人はけほけほと咳き込みをしている




「二人とも酷いよ!二人のアイスを地面に落として無駄にしたり!俺のアイスまで!もったいない!」




「もう食べ物に誤ってよね!」



綱吉は怒ってそのまま帰ってしまった















「「ツナが空手と柔道やってたの忘れてたぜ(のな)・・・ι」」






[*前へ][次へ#]

4/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!