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貴方と過ごした時間は忘れません
終業式





「ふぇっ、ツナさぁん・・・」


ハルが抱きついてくる

どうやら振られてしまったみたいだ


「ハル・・・」


こういうとき、どういう言葉をかければいいか分からない


「ハル、振られてしまいましたぁ・・・」


座り込んだハルを優しく包み込む

何をすれば分からない

だけど


「うん、哀しいなら泣けばいい。気持ちが晴れたら笑えばいいよ」

「う、ううう・・」

「泣いたっていいんだ。人は哀しいと自然に涙がでてくるんだよ」


今は泣いた方がいいと思った

5.6時間目はサボった

泣きつかれたハルを背負って帰ることにした


「もうすぐ冬休みだ・・・」


空からは白くて冷たいものが降る

その日はハルを家に泊めた

どうせ明日は終業式

持ち物はない


「ツナさんありがとうございます」

「ううん、気にしないで」


ハルの頭を撫でる


「ツナさんは優しいです」


下向いていてよく表情が見えなかった

すると、ハルはスタっと立ち上がった


「ハル!お礼に料理を作らせていただきます!」


勢いよく階段を下りた


「ちょ、ハル?」


しばらくすると、料理を持って上がってきた


「できましたツナさん!」


机に置いた

見ると、ハンバーグと味噌汁があった


「・・・何この組み合わせ」


苦笑いをしたが、味はおいしかった


「どうですか?」


顔を覗き込む


「うん、すっごくおいしいよ!」


ふにゃりと笑う

するとハルの頬がポッとピンク色に染まる


「ハル?」


ハルは下を向き

ぶるぶると震えだした

様子がおかしかったので手を伸ばそうとしたら

ガバッと抱きついてきた


「ハル!?」

「ハル、ツナさんのことが好きになったみたいです!!」

「なぁ!?」


女の子は立ち直りが早いというけど

コレは早すぎだろ・・・


「ハルっちょ、落ち着いて」

「アイラブユーです!」


聞いちゃいねー・・・

ぎゅうと締まる


「ハルってばっ、それって恋愛感情で?」


べりっとハルを引き剥がす

ハルの目はハートを作っていた・・・ようにみえた


「はいっ」


俺は悩んだ

ハルのことは好きだけど

それは多分友達として・・・

でもこんなダメツナに二度と彼女ができるチャンスはない

初めの方だって、こんな子が俺の彼女になったらいいなって思ってたし


「うーん・・・」


いや、だからと言って恋愛対象として好きか分からないのに

軽い気持ちで付き合ってもいけないと思うし

と、とりあえず断るべき・・・か?


「ご、ごめんハル。ハルのことは好きだよ?友達としてだけど・・・」

「ハルはそれでもいいです!ツナさんの隣にいさせてください!」

「う、ん、それならいいのかなぁ?」


あいまいな返事だったが

ハルは喜んでくれた



終業式当日



終業式が終わり、ハルに教室に待ってるように行っておいた

久しぶりに応接室に行く

ヒバリさん寂しがりやだから平気だったかな?

そわそわしながらノックをする


「どうぞ」

「失礼します」


入ると暖房がきいていて暖かかった

ヒバリさんは何もしてなかったが、いすに座っていた


「久しぶりですね、ヒバリさん」

「うん、そうだね」


ソファに座る


「もう冬休みですね」

「うん、冬休みもここに来なよ」


ヒバリさんの誘い

俺はふふっと笑った


「やっぱり寂しかったんですね」


ヒバリさんはむっとして「違う」と言った


「だけど、ごめんなさい。冬休みは無理です」

「なんで」

「冷えるので、外出は控えるようにしてるんです」


ちょっと申し訳なさそうに顔を見る


「あの、もし良かったら初詣一緒にいきませんか?」


少しくらい外は平気だろう

ヒバリさんを誘ってみるとあっさりOKをもらった


「じゃぁ、当日メール送りますね」


ヒバリさんのメアドは知っているが

恥かしくてなかなかできなかった

俺はそういい残して教室に戻った


「ハル、お待たせ」

「ハルは全然待ってません!」

  「いや、待ってただろう?」

      「待ってません!」


          「――――・・よ」



                      「―――・・」






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あきゅろす。
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