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貴方と過ごした時間は忘れません
ダメツナ





入学式から2週間後

なぜこんなことになってしまったのか

友達を作るどころか、いじめにあってしまった

何もないところで転ぶし、テストの点も駄目

体育の授業では役立たず

何をやってもダメダメ

「ダメツナ」と言われてしまった

しかし、結構俺に似合ってる

残念ながら気に入ってしまった

苦痛な学校生活にも慣れなければいけない

3時間目は体育だった

水を飲みに水道に行くと、ホースで俺のクラスの奴等が遊んでいた

嫌な予感がする

嫌な予感は絶対に当たる。今だって

ホースの水を避けきれず当たってしまった

春といっても、暖かい程度

寒くてブルブルと体が震える

保健室に行って服を乾かしてもらった

保健室の先生は「またあなたなの?大変ねぇ」とかわいそうな目で見ていた

俺はまた笑われるのが嫌で、乾くまで保健室にいることにした

服が乾くときにはちょうど昼放課になっていた

今日も1人で弁当を食べる


「けほっけほっ」


せきが昼食の邪魔をする

(風邪かなぁ?)

さっき水を被ったからひいてしまったのだろう

俺は昔から体が弱く、ほんの些細なことですぐに熱を出してしまっていた

過去のことを振り返ると、早退したほうがいいと考えた

先生に言って早退した

昇降口から出ると、さっきよりもせきが酷くなった


「早退は許さないよ」


後ろから声がした

振り返ると、並盛町の秩序のヒバリさんがいた

入学式にあった人だ


「えっと、あのげほっ・・・風邪なんで帰らせてください。けほっ・・けほけほ」


熱が上がってくるのが分かる

焦点が合わない

ってか許さないって・・・

頭が重くなる

瞼を閉じると意識も閉じた








声がする


「ごめんね、ただ君と話がしたかったんだ」


そう言ってくれるのはあなただけだ

また意識が遠くなる





目を開けると、俺の部屋の天井が見えた


「あ・・・」


いつの間に帰ったんだろう

思い出そうとしても全然思い出せない

まだ頭が重い


「目が覚めたみたいだね」


ドアを見ると、何かを持ったヒバリさんがいた

なぜここに?

噛み殺されるのかな?


「なんでヒバリさんが・・・いるの・・?」

「君が目の前で倒れたんでしょ」


あ、そういえば

ヒバリさんに会った気が・・・


「でも・・・どうして俺の家・・」

「草壁に調べさせた」

「ハハ・・」


ちょっといろんな意味で怖いところもあるけど

基本的には優しい人なんだなぁ


「ほら、食べなよ」

「え、これ、ヒバリさんが作ったんですか?」


目を丸くする


「奈々が作ったから運んだ。それと薬、夕食後に食べて」

「そっか、ありがとうございます」


ふにゃりと笑う

時計を見ると6時30分


「って、いつの間に母さんと仲良くなったんですかっ」

「君を家に運んだとき」


なるほど

母さんの作ったおかゆを食べながら感心した

薬を飲むと、苦くて眉をひそめた

薬の作用で眠気が襲ってくる


「眠い?」


コクリと頷く

布団を被るとヒバリさんは俺の頭をわしゃわしゃと撫でる


「よく寝るんだよ。おやすみ」

「・・・おやすみなさい」


今日はなぜか優しいな

恐れられているヒバリさんとは大違いだな

双子か?










その日を境に、ヒバリさんとよく話すようになった






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