開始
僕はただの人間だ。
そう、
なにを言おうと、人間なんだ。
01.始まりの歌
暗い、深い森。
ずうっと、飽きるぐらい同じ景色が続く。
水を切らしてしまってからどのくらい経つだろう。
「異変なんてないじゃないか…!!」
腹が立つ。
だが思えば、きれいに自分は騙されたのだなと、改めて感じた。
腹が立つ。
自分に。だ、
だがやっぱり、ひたすら、ひたすら、この暗く、深い森を歩かなければならない。
自分はもう、前を向くのが精一杯だったとき、何かに躓いた。
「っ!……?人?」
下を向くと気絶している青年が、倒れていた。
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