技術都市ユーリ&アスベル視点 歌っているのは彼女なのだろうか。 天に響く、高い、声が聴こえる。 「…凄いな、」 「…ああ、」 思わず声に漏らしてしまう程に。じっとただながめていると、紅い瞳の少女は、ふと、こっちを見た。 「あ、ごめん」 とっさに謝ると、ゆっくり俺たちのいる方へ、歩いてくる。 「悪ぃな、」 ふるふると首を横に振る。 よかった、少し、悪いことしちゃたかなと、思ったけれど。 「…あのね、」 「「へ?」」 いきなり、話し掛けてきたから吃驚した。 「…あのね、二人はフェイトのお家に行くの…?」 「フェイトって、」 「誰だ、そりゃ、」 疑問が続き、混乱し始めた俺たちに、少女は言った。 だって… 「…手に持ってるの、フェイトのお家の鍵なの、勝手に持ち出しちゃダメって、フェイトが言ってた。」 「フェイトって、アルフェイドの事?」 こくこくと、頷く。 少し、少女は俺たちを見たあと、手を引っ張り、真っ直ぐ目の前にある家を指差した。 「…こっち、あそこ、フェイトお家。」 俺たちの目指す、研究所はすぐ、そこだった。 [*前へ] |