物語【魔界の扉編】 affirmation work V 無意識に… 吸い寄せられる様に… 飛影に口付けていた―… けれど、結局は翻弄されるのはオレの方… 飛影に首元を押さえ付けられ、逃げる事が出来ない様固定され、今は飛影の激しい口付けに耐えている状況に変わっていた―… 「…んぅ…っ…」 いつの間にかオレの身体は飛影の膝に乗せられ、抱えられている。 意識が霞みかけた証拠に、気を付けていた筈のオレの唾液が飛影の口元を伝って流れていた。 飛影の舌が熱くオレの舌を捕えて… 飛影の腕が熱くオレを抱えて… どうやって正気を保てと言うのだろう… 己の身体が何度も小さく跳ねるのが恥ずかしくて、飛影の肩を強く掴む。 たかが口付けで。 たかが抱き締められているだけで。 こんなにも。 オレは貴方に翻弄される―… だけど。 貴方はどうなんだろう… いつも貴方は冷静で。 翻弄されるのはオレの方で。 少しだけ…淋しく思う… 「…っ」 オレの唇をペロリと舐めたのを最後に、飛影は長い口付けを止めた。 伝ってしまったオレの唾液を親指で拭い、舐め取る事も忘れずに。 その仕草に、またオレの身体が熱くなった。 「…飛…影…」 オレの呼び掛けが上擦ったものになる。 反対に飛影の表情は何一つ崩れていない。 その飛影が口を開いた。 「…蔵馬。乗れるか?」 「…?…乗…る…?今オレ貴方の上に…」 「そうじゃない。俺の上に乗って動けるかと聞いたんだ。」 …乗って…動く…? ―!! 「ちょっ…何言って…こ…ここで…?じゃなくてっ…乗って…う…動く?!」 「ああ、その通りの意味だが。」 「…なっ…何言ってるんです?!からかうのもいい加減に…」 身体を少し離して、必死になって抗議するオレを飛影は引き寄せた。 オレを飛影の紅い瞳が貫く様に見上げる。 「…移動する程余裕が無いんでな…。それに…」 余裕が無い…? 飛影が…本当に…? 飛影の意外な言葉に驚いた。 そして飛影はオレの耳元まで唇を寄せて囁いた。 「お前が仕掛けたんだろう…?蔵馬…」 「…っ」 そんな事…言われても… 「…まあいい。」 そう言うと、飛影はオレを膝から降ろして姿を消し、素早くオレの後ろに移動した。 速い、と思う余裕は無くて… オレの首を飛影の舌が這った。 「…あっ…」 突然の刺激に反射的に声が出る。 「…ダ…メ…です、飛影っ」 何とか制止の言葉を口にした。 「黙ってろ…」 飛影はそう言うと、右手の指をオレの口に含ませた。 言葉通り、黙らせる様に… 「…ふっ…ん…」 オレの舌を絡めとる様に飛影の指が動き回る。 洩れる声を何とか堪えたくて、木の幹に両手を付いて身体を強張らせた。 「…蔵馬…」 飛影の熱を含んだ声が耳元で聞こえる。 止めて欲しい… これ以上…正気が保てなくなる―… 「…あぁっ」 気が付けば、オレの服は疾うに乱れていた。 オレの素肌を飛影の熱い手が厭らしく撫でる。 飛影はオレの口に含ませた指を引き抜き、そのままオレの顎を掴んで後ろを向く様促した。 そしてそのまま口付けられる。 熱く…熱く… オレは息をするのを忘れて、飛影の口付けに応えた。 頭が…クラクラする… 「…蔵馬、力を抜け…」 飛影の台詞を聞いても何も考えられなくて。 覚悟をする暇も無く、飛影に貫かれた―… 「…っ!!」 急過ぎる大きな刺激に声も出せない。 木の幹に爪を立て、刺激に耐える。 「悪いな、今日は待ってやれそうに無い。」 飛影はそう言って、爪を立てているオレの手を外し、指を絡めた。 「…飛…影…っ…」 オレの呼び掛けが合図の様に、飛影が身を進めた。 オレはただ、嬌声を上げるだけ―… 絡めてくれた飛影の指に必死に力を込めて… (Wへ続く…) ★あとがき★ あぁ、変な所で切ってしまった… しかも。 外ですけど…? 木の上ですけど…? 無理くり飛影さんとそれに翻弄されっ放しの蔵馬さんです。 卑猥な内容だと知らずにお読み下さって気分を害された方、すみません… 言い訳は日記にて(汗) お読み下さって有難うございました^^ [*前へ][次へ#] [戻る] |