幸運で掴む勝利なんか 5 「おい、そこのウンコクズ共。どうした?クソがもれそうなのか?」 『…………?!』 マルフーGメン… 鰐島、海人… もしかしたら、咢の兄貴、なのか… 昔、少しだけ世話になった… 「良く見たら、慶輔じゃねぇか」 『…………海、人…』 「ウンコクズ共と、なに追いかけっこなんかしてんだ?」 『勝手に、追い掛けてきたんだよ…っ』 俺は、海人を見た瞬間… 一瞬だけ、助かったと思った… アキラも一緒に居て、久々に会えて良かったとも思った… 「あの後、どうだ?調子は」 『………っ!』 あの後── もう二度と思い出したくない、あんなもの… 中山は不思議そうに俺を見つめる。 俺は、中山を下ろした… 『中、山…』 「どうしたの…?」 『腕、ごめん…っ』 「ううん、大丈夫だから、ね?」 優しく微笑みながら俺に言う中山。 その姿が── その微笑みが── 全てが── 一瞬にして、アイツと重なった── 『……ぅ、うぁぁああ゛あ゛!!!!!』 「………っっ?!」 『うぁ゛ぁあ゛…ぐぁ、ふぅ゛、ぁ゛うう゛…』 頭がガンガンする。 まるでなにかを拒否するかの様に… ──拒否。 そうか、俺はあの忌まわしい出来事を拒否してるのか── でも、出来てない。 だから、今、俺は、どうしようもなく、叫んでいるんだ── 『ふぐぅう゛う゛…!!!ぅ゛ぁ゛ああ゛!!!!』 「高城君?高城君!!」 『ぐっ、ぅぅ゛あ゛ああ゛!!!!あぁぁああ゛あ゛!!!!!!!!』 止まれ、止まれ、止まれ、止まれ、止まれ!! あんなもの、あんなもの…!! 思い出したくない、思い出したくないんだ!!! 止まれよ、止まれってば!! 嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ── 『嫌だぁぁああ゛あ゛!!!!!』 「慶輔、」 『───っっ?!』 ドクンッ、 俺を悩ませていた、さっきまでの頭痛が、急に無くなった。 そして、俺は、正気に戻った…… [戻ってみる?][行ってみようぜ!] |