pathetic
文化祭<後夜祭4>
全員が屋上に着くと、そこには―――
「「「「!!」」」」
倒れている、二人の少女。
「名前!?それに、玲も!?」
二人はまだ、メイド服を身に付けていて。
しかし、それは酷いくらいに引き裂かれていた。
「Shit!!一体、何があったんだ!!」
「何故、このようなことが…」
「ちょっと、どいてくれるかな」
背後から聞こえた、凜とした声。
皆の後ろには半兵衛がいた。
「半兵衛殿!?何故ここに……はっ、まさか……!!」
「違うよ。僕は個人で探していて、今見つけたところだ」
「HEY!本当か?」
疑い続ける視線に呆れ、半兵衛は小さく溜め息をもらす。
「…当たり前だろ。僕が彼女を傷つける筈ないだろう」
それに、と前置きして問題発言。
「犯人なら、今ここにいる」
「何だと!!」
「どういうことだ?」
「僕は上から来たから、見えたんだ。君達が来たのに焦って隠れた犯人をね」
「半兵衛殿!!彼は今、どこにいるでござるか!?」
一瞬黙った後、口を開く。
「よく、わからない。でも、呼びかければきっと出てくる」
強い意思の感じる眼差しに誰もが固唾をのんだ。
「HEY!!犯人出てきやがれ!!」
「お前らは袋の鼠だ!!さっさと観念しろ!!」
「早く出てきた方が身のためだぞ!!」
「隠れるなど卑怯でござる!!」
政宗達の声に観念したかのように、給水タンクの陰から犯人は出てきた――
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