六日目
この日は初めてノイシュと遊んだ日だ。前の日に遊ぼう、って約束したんだ。
ノイシュと初めて会ったときはさすがにコワかった。だって今まで見たどんな犬よりも大きい犬だったから。
はなれた所にいたのに、クラトスの後ろにかくれてじーっと見てたくらいだ(そしたらノイシュから近づいて来て、顔をべろんってナメられた。びっくりした)。
でも今は仲良しだ。晴れてる日は森の中を追っかけっこして遊ぶことになってる。
クラトスが「あまり遠くへは行くな」って言うから、近くの岩場までが遊び場だ。
追っかけっこは、オレが追っかけてるときはノイシュの背中に乗ればオレの勝ち。反対に追っかけられてるときは、ノイシュがオレの顔をナメればノイシュの勝ちだ。けっこう難しい。
ノイシュは岩場なんかでもすいすい走ってくるから気が抜けない。すぐ追いつかれそうになる。
ちなみにクラトスは、地面だと足は速いけど岩場とかは苦手みたいだ。オレがぴょんぴょんと登って行くのを見てびっくりしてた。
ノイシュと森の中を走り回って疲れて帰ってきたら、いつもクラトスが家の前に立ってる。
それで、何も言わないでじっとオレを見つめてくる。
最初は怒ってるのかな、って思ったけど、どうもそうじゃないらしい。
だっていつもおやつを用意してくれてるし、近くに行けば頭をなでてくれるし。
木の下でクラトスとノイシュとおやつを食べて、満足したらお昼寝だ。三人(?)で仲良く眠る。
ノイシュはふわふわで気持ちいいし、クラトスはあったかくて気持ちいい。だからすっごく幸せだ。
そういえば最近、クラトスがこの昼寝のときの写真を持ってるのを見た。誰がとったんだろ?クラトスも写ってたしなあ…
†††
前日にロイドはノイシュと遊ぶ約束をしていたようだ。
初めてロイドにノイシュを見せたときは私の後ろに隠れてじっと見ていた。
後から大きくて怖かったと言ってきた。
しかし今ではよく一緒に森のほうへ遊びに行っている。追いかけっこが主な遊びのようだ。あまり遠くまで行くのは危険なので近くの岩場までと範囲を決めてだが。
ロイドは流石獣人ということか、岩場も物ともせず登っていくのには驚いた。
二人(二匹か?)が仲がいいのはいいが、少し寂しい気がするのもいなめない。私も随分大人気ない、な…
帰ってくると近くの木下でおやつを食べるのが定番になってしまった。そして昼寝をするのも。
ノイシュにもたれ掛かりながらロイド抱き寄せて眠る。あたかかく、なんとも幸せな時間だろうか。
この間ユアンの所へ行ったら何故かゼロスと一緒に何か見ていた。私が来たのも気づかず、やけに真剣に。
何かと覗き込んだら、私達が昼寝をしている写真だった。一体いつの間に。
写真を取り上げて、きっちりと裁きの光を降らせておいた。
まったく、油断も隙もあったものではないな。それほどあの子との時間が穏やかなものだと言うことか。
五日目
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