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どうして君はそんなに優しいの?
あまりにも優しすぎるから何度も期待しちゃいそうになる。
――君も俺を好きでいてくれてるんじゃないかって。
そんなことあるはずないのにね。
その証拠に、俺だけに優しいわけじゃない。
困っている人が居たらただほっとけないんだよね。
俺が不器用だから優しくしてくれるんだよね。
俺だけが特別なわけじゃない。
――分かっているのに……苦しいよ。



 「英二、おはよう」
 
いつもの場所でいつもの時間に待ち合わせ。
部活でダブルスを組むようになってから三年間、変わらない日常。

 「おはよー、大石」

ただ変わったことがあるとすれば、大石に対する俺の気持ち。
最初は信頼できる友達(トモダチ)だったのに。
いつからだろう。君を見るたびにこんなにも胸が切なくなるようになったのは。

 「偉いじゃないか、今日は遅刻しなかったんだな」

些細な一言と優しい笑顔。
それがこんなにも嬉しくって、擽ったくて、泣きたくなるようになったのは。
 
 「当たり前じゃん!俺だってやれば出来んだかんね」

ね、大石。普通に笑ってみせるけど、俺はもうおかしいと思うんだ。
だって、こんなにも君を愛してる。

――イケナイ恋、だと知りながらも……。




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あきゅろす。
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