ひとり(turn25after) ぼぅ、とした視界に天井へと伸ばした自分の左腕が写る。 自分は泣いていたらしい。 頬が涙で濡れていた。 彼が生きていると錯覚したくなるような、優しくて残酷な夢だった。 起き上がり、周りを見渡す。 僅かな家具しかない、自分の部屋。 (ああ、君のいない昨日のままだ…) あの日から凍ったままの己れの心そのものであり、彼の形見でもある仮面をそっと抱き締める。 (いつか君のもとにいったとき、さっきみたいに微笑んでくれるよね?) そう思えば、たったひとりでも歩いて行ける… ******************** 宇宙の騎士テッカマンブレードED「LONELY HEART」より着想 [*][#] [戻る] |