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「何考えてんだよ! 逆だろ、逆!」
「あってるよ」
「はあ?」
激しく揺れる肩が腹に当たって苦しかった。それでもなんとかしてパンドラを思い留まらせようと、ガンマンは更に声を張り上げる。
「正気じゃねえ!」
「お前だって足が動けばこうする。見ろ、あいつのアンテナは引っ込んだままだ。自動操縦ならただのポンコツだろ」
「だからってあっちに突っ込んでどうすんの!」
「じゃあホームに戻るのか?」
パンドラは少し大きめの声で言った。ガンマンは固く目を閉じる。気圧まで変えるような充填音に聴覚が奪われる。頭が割れそうだ。
リリー達を囮に、バガゼロの探知システムから逃げ切る。途中、ブレイズの目を引きながら、更に安全なところまで? ブレイズのシナリオに傷を付ける為にか。
冗談じゃない。
「賭けは嫌いなんだ」
腕を伸ばし、パンドラのホルスターから銃を抜く。絶対に聞こえる筈がないのに、パンドラが嗤った気がした。
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