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◆◇風雷絵巻◇◆
交差した想い


風に乗って、微かに、しかし確かに聞こえた耳障りな声。

フウは、その声のする方角へ六を急がせた。







…程なくして、周りに風が吹き荒れ、その中からフウが現れた。
その様子をじっと見つめる。


「……貴様、自分が何をしているのか分かっているのか」


「分かってる。
…お前は何が何だかさっぱりだろうがな」



しん、と一瞬静まり返る。



「……死ぬ前に、その子を渡してもらおう」


「ん?!ちょっと待て、どう…」


「竜の子を食おうなど……食うて何とする?力か?」


「子を…食う…?力…?何を言…」


「とぼけるな。渡さぬなら力ずくでも…!」









【…もう、おやめなさい】







2人の声の間に、突然もう一つの声が響く。
その空高くから響く3人目の聞き慣れた声に、2人は同時に空をあおぐ。




「「大神様っ!!!」」





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