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◆◇風雷絵巻◇◆
命名『ムジナ』


竜の子と、すっかり友達になった雷神はというと、楽しげに自分の事を話していた。

「俺はライ。向こうのゴロゴロ山に住んでるんだ。お前、名は何という?」

「ぎゅう…」

「…そうか。お前、名無しか。ならば今日からお前の名はムジナだ!どうだ、いい名だろう?」

「きゅる!」

「よしよし!
……さぁて、そろそろ帰るか。肩に掴まれ。ウチに連れてってやるからよ!」


そう言うとライは、ぶんと人差し指を空にかざし、くるくると渦を書くように回し始めた。

するとどうだろう。今まで晴れ渡っていた空に、真っ黒な雨雲が立ち込め始めたではないか。


肩にちょこんと飛び乗ったムジナは、これから何が起こるのか、小さな瞳を輝かせながら、次々と集まってくる雲を楽しそうに見つめていた。



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