銀魂裏恋(裏夢小説)
土方:切→甘。5
ザー……雨は、強まることも弱まることもしないで
ただ、降り続けていた。
あたしは、いつも十四郎と二人で腰かけるベンチに座った。
「…寒………」
濡れた服は、寒さからあたしを一切守ってくれなくて。
直に、秋雨の冷たさが肌に伝わる。
………心まで、その冷たさは染みてくるみたいだ。
切ない、よ。
「……とう……しろう……」
『……んだよ、美穂』
いつもなら
ここに座って名前を呼べばすぐに返事が帰ってくるのに。
今は、ただ雨が降る音ばかりしか聞こえない。
「…十四郎に…会いたいよ………」
ツン、と鼻の奥が切なくなって
視界が、ぼやけた。
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