銀魂裏恋(裏夢小説)
沖田:甘夢。12
『そいつ』は人の流れに逆らうのが苦手らしく、足が遅かった。
人の波なんて気にもせず走る俺は
あっという間に、『そいつ』との距離が縮めていく。
……なんだか、見覚えのある後ろ姿のような気がしやしたが……
そんなことを気にしないで、俺はグングン『そいつ』に近付いていく。
五メートル、
三メートル、
一メートル……
ガシッ!!
「うわぁぁ!?」
俺は、袖をガッチリと掴んだ。
「…捕まえましたぜ、ストーカー野郎。逃げ足が遅いくせに悪あがきなんて無様ですぜ?」
罵声を浴びせると『そいつ』が振り返った。
「お…沖田さん!!違いますよ!!誤解ですって!」
振り向いた、そいつを見て俺は驚きを隠せなかった。
「アンタは万事屋の旦那んトコの……?たしか………新一くん、でしたっけかねィ?」
「違いますよ!!新八です!!」
「細かいところはどうでもいいんでィ。
…たしかアンタぁ、お通ちゃんの大ファンでしたよねィ。なんで……他の女追っかけたりしてるんでィ。」
「オィィィィ!!細かいところって…名前のどこが細かいの!?どこがどうでもいいとこなの!?」
「早く、理由いいなせェ。じゃないと問答無用でしょっぴきますぜ」
「…う…すみません、つい突っ込みたくなっちゃって」
「速く言いなせェ」
声に凄味をかけて、新八を急かすと
「……実は……」
慌てて、
コトの経緯を説明し始めた……
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