- バカと私と召喚獣 -
第05問
違和感を感じ、ドワノブに手を伸ばすと
カチャ‥‥
案の定、鍵が開いていた
学園に登校するときにちゃんかけたはずなのに開いている
おそるおそるドワを開けて中を覗きこむ
すると――
「ねーちゃーんっ!!」
「ごふっ!?」
知っている顔に、いきなり溝にタックルを決められた
実家に居たときは毎日のように喰らわせられたタックルを
「‥な、なんで、あんたが私の家に」
「だって姉ちゃんに会いたかったんだもん」
私にタックルを決め
現在、私に抱きついているのは
弟の「比泉 輝瑠(ひかる)」
なんで輝瑠がここに?
実家に母さんといるはずなのに、なんで私の家に?
ここにいる理由を聞くために
輝瑠を引き離し部屋に入るが
「〜〜〜〜♪」
左腕にくっつき離れようとしない
なんでそんなに満面の笑顔なの?
お姉ちゃんの困っている顔が見えないのか?
このままソファーに座ってると制服のスカートにシワがついちゃうから着替えたいんだけど
そんな私の気持ちを知らずに輝瑠は
満面の笑顔のまま私の腕に抱きつ続けている
「はぁ……なんで、お姉ちゃん家にいるの?」
このままじゃ何も変わらないので
ため息を吐きながら質問すると
「へ……?」
予想外の質問だったのか豆鉄砲をくらった鳩のような顔に
「‥さっきも言ったけど姉ちゃんに会いたかったから‥‥」
確かにさっきもそう聞いたけど
何でそんなに落ち込むかな、そこまで露骨に嫌な顔をしてたか私?
話を進めると
母さんも一緒に来ていたらしく、用事が終わったら迎えにくるらしい
なんで輝瑠を置いてどっか行っちゃうかな
早く迎えにきてほしんですけど
明日は死ぬかどうかの命に関わる日だっていうのに
このままじゃ輝瑠の相手をしているだけで過労死してしまう
この日、輝瑠は満足感をいっぱいに迎えにきた母と家に帰り
私は初めて実母に殺意を覚えた‥‥
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!