マフィアの欠片

昨日は、目を覚ましてみればもう当たりは薄暗くなっていて、なぜかリボーンとレオンも一緒に寝ていた。ボルサリーノで顔を隠したリボーン。目を閉じてうずくまっているレオン。
なんとなく、そばにいてくれたことが嬉しかった。








「紫杏。屋敷を案内するぞ。知っておいた方がいいだろう」


リボーンに呼びとめられて、振り向けば、いつものスーツにボルサリーノをかぶり、レオンをのせている。
差し出された手をとって歩き出す。今日の服装は、なぜか朝起きたら置いてあったもので、水色をしたロングパーカーの半そでに、フードも付いている。


靴は、履くのが面倒なので裸足だ。日本人だから、なんとなく部屋の中を靴で歩きまわるのは気が引けたのだ。


「靴はどうした?」


[にほんじんは、いえでくつをはかないもん]


最近気付いたことは、なぜか漢字が書けない。読めるし、頭では分かっているのにいざ書こうとすると、ひらがなになってしまうのだ。まさにミステリー。
でも、とくに不便ではないから気にしてないけどね。
読むほうは読みにくそうだけど。


「そうか」


リボーンはそう言っただけで、あとは何も言ってこなかった。顔をのぞくように見上げてみれば、無表情で何を考えているかわからない。何を考えているかも、どう思っているかも何もわからない。


「…なんだ?」


不意にこっちを見るから吃驚する。なんでもないと首を振れば、再び前を向くから、私も前を向いて、リボーンに連れられるがままに歩く。


しばらく行けば、階段に差し掛かった。ここを登るのか?まさか、上から順に、とか?


階段の前ではた、と立ち止まった私を、不思議そうにながめるリボーン。でも、私にとっては難関なんだ。
だって、ここは普通の階段よりも何気に高い、たぶん。そして、赤い絨毯が敷かれているから足裏は冷たくないんだけど、滑る。


「ほら、行くぞ」


手をひかれるままに、一段足をかけて、もう片方の足を同じ段に乗せる。
片手はリボーンに繋がれているから、それに体重をかけながら一生懸命に登っていく。その間、リボーンはただ隣で私に合わせてゆっくりと登ってくれた。


「よくがんばったな。えらいぞ紫杏」


登り終えたら、そう言って抱き上げてくれた。そして、ついた先は、やっぱりお父さんとお母さんの寝室。


「ここはもう知ってるな」


前というか、昨日のこと。
朝、獄寺さんに頼まれてここに来たけど、階段に登るので一苦労したっけ…。しかも、そのあとのリボーンの部屋に行くときに滑って、あれは寿命が縮んだかと思った。


「じゃあ、ここはいいな。次だ。…どうする?歩くか?」


ここからなら階段を降りなきゃいけない。それは、正直言って避けたい。ということで、甘えさせてもらうことにする。
私は首を横に振ってしがみつく。
こういうとき、小さいって楽だって思ってしまった。階段を降りたくない理由は小さくなっちゃったからなのにね。


「じゃあ、次だ。守護者の部屋に行くぞ」


首をかしげる。


[しゅごしゃってなに?]


「ああ…。いや、お前は知らなくていいぞ。わざわざ、足を突っ込む必要はないからな」


「…?」


最後の方に呟いた言葉はどういう意味なのか。あとで誰かに聞いたら、わかるかもしれない。でも、リボーンに聞いてもたぶん教えてはくれなさそうだな。


リボーンはそのまますたすたと歩いて行く。


[なんさい?]


「11だ」


私は目を見開いていると思う。だって、11歳!?小学校5年生!?小学校にいってるのかは知らないけど…。


[がっこうは?]


「俺はもう博士号を取得してるからな」


天才?リボーンって、すっごい頭良かったんだ…。まあ、そうだよね。11歳で普通にここにいるんだし…。世の中、人は見た目によらないってこういうことだね。リボーンって11歳には到底見えないもん。


「なんだ?凝視して」


[みえない]


「は?」


「11さいにみえない。もっと]


私と同じ年ぐらい、と書こうとしてやめた。


「らんぼさんとおなじくらいだとおもった]


それを見たリボーンは少し怪訝な顔をした。ランボさんが嫌いなのかな?そういえば、前もランボさんのこと蹴ってたし。


「ほら、着いたぞ。山本の部屋だ」


そこは、一つ下に降りた、私の部屋の2つ隣。どうやら、ここの階は皆の自室が並んでいるみたい。ただ、私の隣の部屋は誰もいないみたいだけど。


リボーンがノックすると、返事の少し後に開かれたドア。その向こうには、顎に傷をつけている山本さんがいた。なぜか黒い道着を着ている。


「お、小僧に紫杏じゃねえか。どうしたんだ?」


[いえのなか、あんないしてもらってるの]


「ハハ、そうか。よかったな!」


私の頭をなでる手は、お父さんやリボーンと少し違って、すごく大きくてごつごつとしている感じだった。
リボーンの手は、ごつごつじゃなくてもう少しきれいなんだ。でも、掌は固い。


「山本は、鍛練か?」


「ああ、久しぶりに時間が空いたしな。ちょっくら行ってこようと思ってたところなんだ」


[おじゃましてごめんなさい]


「ハハ!紫杏は礼儀正しいのな!いつでも遊びに来いよな!」


山本さんは、そう言いながら、竹刀を肩に担ぎ、部屋を出て行った。山本さんは刀を使うのかな?剣道?


リボーンは何も言わずに私を抱き上げたまま再び歩き出す。しかし、それもすぐで、その隣の部屋の前で止まった。リボーンが再びノックする。


しばらくして出てきたのは、銀髪にたばこを吸っている獄寺さんだった。


「リボーンさん!それに、紫杏まで…。何かありましたか?」


リボーンが私を見てきたから、さっき山本さんに書いたものと同じものを見せた。


[いえのなか、あんないしてもらってるの]


獄寺さんの横から見えた部屋には、シルバーアクセサリなどがあった。そして、花火のようなものも置いてあった。あとは、いたってシンプルで必要なものが置いてあるといった感じだ。


「じゃあ、次行くぞ」


うなずき、獄寺さんに手を振る。でも、獄寺さんはそれを一瞥しただけで、リボーンに挨拶して部屋の中へと入って行った。


[ごくでらさんにきらわれてる?]


「あいつは、誰に対してもあんなんだぞ。紫杏が気にすることじゃない。獄寺はツンデレだからな」


口角を上げて笑ったリボーンに首をかしげる。ツンデレって…。なんか…、想像できるけど想像できないな。


「次は、俺の部屋か。俺の部屋は前に来たことあるから別にいいな」


うなずく。


「じゃあ、次は…アホ牛か。あそこも後だ」


[なんで?]


「アホ牛だからだぞ」


理由になって無くないですか…?


「じゃあ、次だ。次は…、骸か」


骸と言えば、オッドアイに不思議な髪型の六道さんだ。


「たしか、今朝任務から帰ってきていたはずだぞ」


そう言って歩き始めたが、今度は長かった。リボーンの2つ隣がランボさんのようだけど、その隣が六道さんということはなくて、そのまま歩き続ける。


[ろくどうさんはへや、とおいの?]


「あいつは、慣れ合いを好まねえからな」


[じゃあ、ひばりさんは?]


「雲雀はもともと群れるのを嫌っているんだぞ。だから、別館がある]


雲雀さんの部屋って別館なんだ…。


「ほら、着いたぞ」


そこの部屋は、この階の一番奥にある部屋だった。


「骸。いるか?」


しばらくして、開いたドアからは、怪訝な顔をした六道さんがいた。


「…おや、アルコバレーノに…。僕に何かようでもありましたか?」


「いや、ねえぞ。今こいつに案内してるんだ」


「そうですか。では、これで…。僕は任務帰りで疲れているんでね」


「ああ、邪魔したな」


六道さんは私を一瞥すると、何も言わずに中へと引っ込んでいった。でも、やっぱり六道さんはどこかさびしげな人だなあって思った。


[ろくどうさんは、めのいろ、ちがうんだね]


「……ああ、そうだな。……次だ。次は雲雀だぞ。あいつはちょっと遠いからな」


[あるく]


「そうか」


リボーンは私をそっとおろしてくれた。裸足で地面につくが、やっぱり赤い絨毯みたいなものがひいてあるから冷たくはない。


壁に絵画がかかっている廊下をリボーンと手をつないで歩く。
リボーンの歩調はゆっくりで、私に合わせてくれているみたいだ。さすが紳士の国イタリア。


そのまましばらく歩けば、洋風なところに、なぜか和風な障子。その不思議さに首をかしげていると、リボーンはそのまま進んでいった。そして、目の前に立つと、その障子は自動ドアのように手を触れていないのにスーッと開いた。中にもやっぱり人はいない。


「ここからが雲雀の別館だぞ」


そして、そのまま進んでいく。中は、さっきまでとあまり変わらない。後ろを振り返れば、やっぱり自動でしまっていた。
その障子だけがやっぱり洋風なこの場所には不釣り合いで浮いて見える。その不釣り合いな障子がどこか不安を掻き立てて、思わず、リボーンの手を少し強く握る。


リボーンも少し握り返してくれた。


「リボーンさんではないですか」


「草壁か。雲雀はいるか?」


「恭さんなら自室にいるかと…。案内します」


「頼むぞ」


リボーンに草壁と呼ばれた彼は、なぜかリーゼントに草を口にくわえていて、たぶんお父さんよりも高い背。というか、一昔前の不良ってきっとこんな感じなんだろうな…。
リーゼント…。あれどうやってセットしてるんだろう。寝るときとか大変そう…。


「ん、ああ、そちらが沢田さんの養子になったという紫杏さんですか」


草壁さんは私の前でしゃがみ、目線を合わせると、自己紹介をした。


「私は、風紀財団の雲雀の補佐を務めている草壁です」


[紫杏です。よろしくおねがいします]


「さ、こっちです」


連れて行かれた先には、指紋認証システムがある扉。それに草壁さんが触れれば、短い電子音の後に扉は音もなく開いた。


そして、中は和風の旅館のようになっていて、すぐに靴を脱ぐ場所があった。


「この奥です。私はこれで」


「ああ、忙しいのに悪かったな」


「いえ、ではゆっくりとしていってください」


草壁さんは一礼すると、戻って行った。


「雲雀、入るぞ」


返事を待たずにリボーンが障子を開ければ、そこには雲雀さんが着流しを来て、座っていた。


「…まだ入っていいなんて言ってないんだけど」


「返事なんてする気ねえだろうが」


「ハア…、で?用件は?赤ん坊がここに来るなんて珍しいね」


「俺はもう赤ん坊じゃねえ。今日は、紫杏の案内と挨拶に回ってるだけだぞ」


「なんだ、相手してくれるんじゃないの?」


「俺は、今書類のみだ」


「じゃあ、運動したくなったら言ってよ。君ならいつでも相手するよ」


リボーンはボルサリーノを少し下げて、口元だけ笑った。雲雀さんはその反応に満足したのか、その話は打ち切られた。


「ああ、そうだ。その子、ちょっと貸して」


私の方へと向いた雲雀さんは、口元だけに笑みを浮かべた。でも、目は笑っていない。獲物を見つけたみたいに光った。
戦慄が走り、硬直する体。


「今はダメだぞ。ツナから預かってるからな」


「ふうん、じゃあいつならいいんだい?」


「…さあな」


「ずいぶん気に入っているようだね。君が気にかけるなんて珍しい」


「マフィアは女には優しいもんだぞ」


「…よく言う。…まあいいや。用が済んだなら早く出て行ってくれるかい。この子がここにいたら、沢田が来かねない」


「それはねえと…―――」


リボーンの言葉は途中で切れて、無言になったと思ったら懐に手を忍ばせた。そして、雲雀さんもどこからともなく鉄の棒を取り出して構えた。たぶん、トンファーって奴…だったと思う。うー、違う、のかな?


「ほら、言ったでしょ?」


「そうだな。紫杏は耳ふさいでろ」


言われたとおりに耳はふさぐ、でも、どうしても不安でリボーンを見上げていれば、頭をなでられた。


「3…、2…、1…」


そして、0のカウントダウンとともに、開けられたドアにはハニーブラウンの髪を揺らして、少し額に汗を浮かべているお父さん。
お父さんが開けた扉が開くのと、リボーンが発砲するのと、雲雀さんがトンファーを投げつけるのはほぼ同時だった。


「わっ!」


「チッ」


「…止められた」


「いきなりなにするんだよ、リボーン!それに、雲雀さんも!トンファー当たったら痛いだろ!というか、リボーンは銃なんて当たったら痛いじゃ済まないから!」


お父さんは、ぴんぴんしていて、その手には雲雀さんのトンファー。そして、お父さんの横の壁には一つの穴。


「それに、紫杏の前でそんなことしたら怖がらせるだろ。まったく。紫杏、怖かったね」


そう言いながら、お父さんは私を優しく抱き上げてくれた。まあ、実際怖かったけど、怖いというより、吃驚したって言う方が正しい。


「おい、ダメツナ。仕事はどうした」


「部屋に断りもなく入らないでくれる?目障りだ」


「仕事は、ひと段落ついたよ。だから、休憩。部屋には、はやく紫杏に会いたかったから仕方ないじゃないですか」


「なんで、俺達がここにいるってわかった?」


「そんなの、超直感に決まってるだろ?」


「…下らねえことに使ってんじゃねえ」


リボーンは、再びお父さんに銃口を向けた。というか、今は私もいるんだけど!銃口向けられるなんて初めての体験だよっ!


「わわっ!ちょ、紫杏もいるんだから、銃向けるなよ!」


「群れてる…」


「ちょ、雲雀さん!?殺気、殺気!にじみ出てますから!」


「ダメツナが、うろたえてんじゃねえ」


雲雀さんは、片方になったトンファーをまた構えて、思いっきり睨んでくる。私が睨まれているわけではないようだけど、その標的と一緒にいるわけで、自然と殺気が私にも向く。
温度が急激に下がった気がした。


背中を冷や汗が伝う。
どうしよう、どうしよう…。怖いっ。


「おい、雲雀、よせ。屋敷を壊す気か」


リボーンの声もむなしく、雲雀さんは少し近づく。


「ハア、仕方ないなあ。一応オレ、ボスなんだけど」


お父さんは私をおろすと、すでに戦闘態勢になってしまっている雲雀さんに向き直った。一度も私の方を見てくれなくて、私は、急に離れた体温にさらに不安になってくる。
お父さんは、そっとグローブをはめた。


「へえ、相手、してくれるの?」


「すぐに終わらせる」


お父さんの額からも炎を出して、目の色が変わった。前に、私のところに爆弾が飛んできたときと同じだ。いつものお父さんなのに、少し違うお父さんになる瞬間。


お父さんの額に炎がともると同時に威圧感があたりを支配した。


そうなれば、もう立っていることなんてできなくて、しゃがみこむ。


一触即発の雰囲気があたりを包んだ。しかし、そこに、パンパンパンと続けて3発の銃声が鳴り響いた。
見れば、リボーンが天井に向かって銃を発砲していた。


「いい加減にしろ。雲雀、ダメツナ。紫杏がいるんだぞ」


「あ…」


リボーンがそう言うと、威圧感のようなものはなくなり、部屋に温かさが戻ってきた。
安心したのと同時に、私は走りだしていた。
後ろで、お父さんが名前を呼んでいるような気がしたけど、私は構わずに走った。
とにかく、あの場所にはいたくなかった。


「あれ?紫杏ちゃん?綱吉と一緒じゃ…紫杏ちゃん?」


廊下の先の指紋認証の扉から入ってきたのはお母さんだった。私は迷わずお母さんに飛びつく。


「紫杏ちゃん?」


お母さんは、そんな私を優しく抱きとめた。そして、私が震えているのがわかったのか、そのまま抱き上げて、あやすように背中をポンポンと叩く。
私は、さらにギュッとしがみついた。


どうしても、感情がおさまらない。感情を隠すのは得意だったはずだ。感情を抑えるのは簡単だったはずだ。なのに、それさえもできなくなっている。


「紫杏っ!」


「綱吉…」


私は、さらにお母さんの首に強く抱きついた。
それに何かを察したのか、背中をポンポンと叩いてくれる。


「紫杏ちゃんに何したの?」


「え、いや…えっと…」


「呼びに行っただけじゃないの?」


「そ、そうなんだけど、雲雀さんが…」


「…まさか、戦う、なんてしてないよね?」


「あ、アハハハハ〜」


「綱吉っ!」


明らかに動揺を隠せずに目線を泳がせるお父さんに、お母さんが大声を張り上げてお父さんを呼ぶ。その声に、お父さんは、はいっ!と、あわてて返事をした。


「自分の、義娘(むすめ)の前で何やってんの!?怖がってるじゃない!」


「う…、ごめん」


「もう…。紫杏ちゃん、こんな人ほっといて行こう?おいしいお菓子があるの」


「ちょ、オレは!?」


「綱吉なんか、書類に埋もれて過労死しちゃえ」


「リ、リアルーっ!!」


お母さんの肩に顔をうずめたまま、少し、顔を逸らしてお父さんを見れば、顔を青ざめさせているのが見える。
それが、面白くて、少し笑ってしまった。


「そうだぞ、紫杏。こんなダメツナほっといて行くぞ」


ポンと載せられた手に顔を上げれば、リボーンがニッと笑っていた。後ろからは、雲雀さんが溜息をつきながら歩いてくる。


「まったく、僕のところで群れるなんていい度胸してるね。…咬み殺したくなる。久しぶりに沢田と戦えると思ったんだけど」


「雲雀さんまでっ!紫杏ちゃんがいるまえでは、やめてください!それに、やるなら外でお願いします!屋敷を壊すつもりですか」


「…麻依が言うなら、しょうがないね。沢田。今度相手してよね。最近の仕事は手ぬるいのばかりでつまらない」


「ハハハ…。なるべく高ランクの任務を回しているんですけどね…」


お父さんは頬をかきながら苦笑した。雲雀さんは、どうやら、かなり強いらしい。ランクとかはよくわからないけど。


「それより、いつまでここで群れてるつもりなの?僕は部屋でゆっくりとしたいんだ。うるさくしないでくれない?」


「ハア、今、出ていきますよ。雲雀さん」


お父さんがそういえば、雲雀さんはお父さんを一瞥した後、一つあくびをして寝るといって部屋の方へ戻って行った。


「じゃ、紫杏ちゃん。一緒にケーキ食べようね!」


「麻依、俺も食うぞ」


「うん。リボーン君も一緒にね。エスプレッソ淹れてあげる。紫杏ちゃんは何が飲みたい?」


「え、ちょ、オレは!?」


「綱吉なんて、執務漬けになっちゃえばいいんだ」


「ま、麻依!?まだ怒ってたの!?」


「……さあ、紫杏ちゃんリボーン君行こう?」


「麻依!?無視するなよ!」


お母さんはお父さんを置いて私を抱えたまま、すたすたと歩いて行く。さすがにかわいそうになって、紙にもう平気だよと書けば、ただ、遊んでるだけだよと返された。


その返答にリボーンもニヤリとニヒルな笑みを浮かべた。








(さあ、ケーキ、ケーキ!)
(麻依!待てよ!)
(…もう、怖がらせない?)
(うん。約束するから)
(うーん、紫杏ちゃんどうする?)


([お父さんなんて大っ嫌い!])
(そ、そんな…。って、なんでリボーンが書いてんの!?)


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