昔、昔、森の奥にある城にとても傲慢な王子が住んでいました。 ある日の夜、醜い老女が城を訪ねてきました。しわがれた声をした老女は、バラを一輪差しだしこう言いました。 「一輪のバラをあげるかわりに城に一晩泊めてくれないか」 しかし王子はそれを断り、老女がもう一度頼んでも王子は聞く耳を持たず追い返そうとしました。 するとその瞬間に老女は美しい魔女に変わり、優しい心を持たない王子と、その城全体に魔法をかけてしまいました。 そして王子は恐ろしい野獣の姿に、美しかった城は、まるで廃墟のようになってしまいました。 魔女は、一輪のバラの花を置き、消えてしまいます。 そのバラの花びらが全部散るまでに、王子が人を愛し人に愛されるという「真実の愛」を見つけなければ、王子たちにかけられた魔法が解けることはないでしょう…。 王子は絶望しました。こんな姿で誰も愛してくれない、と。 そんなある日、何の運命か一人の女性に出会うのです。そして、その女性は最初こそ野獣を恐れるものの、野獣のやさしさに触れ、二人は愛し合うのです。 そして、キスを交わした瞬間。 野獣はもとの王子の姿に戻り、城も美しいものに戻りました。 そして、2人は幸せに暮らしましたとさ。 |