寝床の決め方

「だから、今日の寝る場所」


「え…」


「だって、空も部屋で寝たいでしょ?私も自分の部屋がいいし、こう…決めた方が良くない?」


「それ、賛成!」


「で、私の案は、2人が一人づつ私たちの部屋で寝るってやつなんだけど…。まあ、2人が良ければね。…リビングで寝てもらう訳にもいかないし」


そう言われ、リビングを見れば部屋の隅にはまだあたしたちの片付けきれていない荷物が。


夏休みが終わったらまた同じクラスなんだからロッカーに入れたままでもいいと思うのに。持って帰れと言われたし…。


確か、ワックスがけをするって言ってた。


あたしと風は隼人とたけちゃんの顔を見る。


「俺たちはいいぜ!な、獄寺」


「いや、おい!山本!」


「ん?なんだ?」


「なんだじゃねえよ!だいたいな、お前らもお前らだ!俺たちは男だぞ!?」


耳を真っ赤にしてあたしたちの方を睨む隼人。男だってことぐらいは解ってるよ。


「だーっ!そうじゃねえんだよ!」


「もう、なんなの?はっきり言ってよ」


「だから、別に何も起きねえって。そんな意識してたらもたねえぜ?」


「うっせえ!野球馬鹿が!」


「大丈夫。獄寺がなんかしたら、ただじゃおかないから(笑)」


「なっ」


「まあ、まあ」


「なんとかなるって」


「じゃあ、それで決定ね。で、どっちがどっちに寝るかなんだけど…」


その言葉にあたしと風は顔を見合わせる。睨みあうように目をそらさずに沈黙が流れる。


その様子にわけがわからず見守る2人。隼人の顔はまだほんのりと赤い。


そして、2人同時に口を開いた。


「隼人!」 「山本」


「じゃあ決定ね。私の部屋には山本。空の部屋には獄寺で」


「お、おう…」


「よし、じゃあ、寝よう!」


時計を見れば、もう11時を過ぎていた。


「明日は、この周辺を散歩しよーよ。ね、風」


「うん。そうしよっか」


あたしたちはそれぞれ寝る準備をして部屋にはいった。あたしが隼人を選んだ理由は、キャラ的に隼人の方が好きだからという単純なもの。


これから、楽しくなる予感がした。


きっと、きっと、楽しい…ハズ!



(なんで、俺が…)
(え、たけちゃんと寝たかったの?)
(誤解を招くような言い方すんじゃねえ!)
(ふあ〜、あたしもう眠いから寝るよ?おやすみ)
(お、おう…)

スー…、スー…、


(チッ、眠れねえ…)


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あきゅろす。
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