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烈々布店長の裏(銀魂)
プロローグ2(微裏)
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先程から聞き慣れない言葉を連発しているけど この[吸気]について少し説明しよう


私は[夜魔]という種族の天人


宇宙には数種類の夜魔が分布している
私は生物から生気、精気を貰って生きてる

通常の食事でも生きていく事は可能だけど それだけでは能力を使えない


能力とは…色々あるけど、例えば自分に危害を加えてくる人に気功砲を射ったり、短時間だけど宙にふわふわと浮いてみたり…

[気]の循環を利用して、小さなものだけど、ケガの治療を出来たりもするちょっと便利なコマンドだよ


時折、この船の人達から、こっそり気付かれない程度に精気、生気を貰ったりしていたが

成長期のせいか 私の中の[気]が足りなくなる事が多いようで…

特定の体力のある人から[気]を分けて貰う事になったのだ


それが主に、艦長の坂本さん
そして夜兎の副艦長、むっちゃん


普段は特殊能力を発動することも無く、平和に生きてるから そんなに精気を貰わなくても大丈夫なんだけど、度々ぶっ倒れてたら 怒られたので、1日1回 誰かから貰うことに決めた


酸素を吸って二酸化炭素を出す 人々の、二酸化炭素を貰ってる植物みたいなものなんだから 深く気を使わないで欲しいんだけど…


坂本「おおおお終わったぁぁぁぁぁ」バターン


説明が終わった所で 坂本さんが駈けて来た


『え?もう、ですか?』


坂本「あははは、終わったぁ!!超終わらせて来た!あははは!」


『そっかー…………もうそんなにお腹すいてないんだけど』


坂本「嫌じゃあぁぁぁぁぁぁさっきあげに盛り上げられた所で、お預けば食ろーたんにぃぃ!!」じたばた


『うるさ…声デカイんだけど』


坂本「続き続き続きぃぃぃぃぃ!!」じたばた


『解ったよ、解ったから暴れないでよ』


坂本「カモぉぉぉーン」ばっ


『目 怖っ』


坂本「せいっ」ぎゅうぅぅ


『むっちゃんは嫌がるのに、坂本さんは喜ぶんだね?』


坂本「ん?んーそうじゃな………ン…」


『変なの』


そう呟き 彼の背中に腕を回せば 小さく肩を震わせて 眉間に皺を寄せながら また息を弾ませる


坂本「う、ぁ……」ぴく


彼の腕にも力が入り 更に密着すると 坂本さんの男らしい筋張った身体に気付く

筋肉質で熱い 自分とは違う不思議な感触が目の前に広がる
何でこんなに乱れるんだろう


坂本「ん…ちゅ、む…」


また額に唇を押し付ける
熱っぽい息遣いが聞こえるけど、角度のせいでどんな顔をしているのか見えない


『おでこ、洗わなきゃ』


坂本「憎まれ口ばかり叩いちょると、頬っぺたも同じ目ぇに合わせるぞ?」


『だが断る』


坂本「ていっ」ぎゅうぎゅう


『断るって言ってんのにぃ』


私の返事なんて無視して 坂本さんは頬っぺたにもスリスリと顔を寄せてきた


坂本「ン、んー」スリスリ


『犬かなんかなの?』


坂本「そ、そうそ…犬じゃ ワンワン…可愛いじゃろ…ァ…」ハァ


『…?』


言い終わると 彼は3秒程 呼吸を止めて
ふるふると腰を震わせる

一瞬覗いた彼の瞳は虚ろで涙を滲ませていたように見えた

サングラスの向こう側の瞼を閉じて ふぅふぅ とさっき荒げた呼吸を冷ましているのか…?


『坂本さん、大丈夫?』


坂本「ん、んん!大丈夫じゃ!……お、おっといかーん、こじゃんと汗ばかいてしもうたー風呂ぉ入ってこんと!」


『棒読みっぽいけど大丈夫?』


坂本「大丈夫大丈夫あははは」


『何で汗かくの?抱き合ってただけでしょ』


坂本「何でもない、大丈夫大丈夫あははは」


『何で前屈みなの?』


坂本「大丈夫大丈夫あははは…」パタン


不自然な笑顔でドアを閉めた彼は 本当に湯浴みにでも行くのだろう

大抵 この吸気を終えた後はそうするみたいだし


本当におかしな人だけど、彼には日々の感謝を忘れない

この船が まだ奴隷船だった頃
あの時 貴方に出会えて良かった
心から そう 想っているよ


end



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あきゅろす。
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