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烈々布店長の裏(銀魂)
プロローグ
「 冬窓床ー、 頭を呼んで来てくれんか」

『はーい!』


私に声を掛けたのは副艦の陸奥氏こと むっちゃん

バタバタと忙しく船内を駆けて 私達の頭(かしら)、坂本さんを探しに行く


『すみませーん、坂本さんを見ませんでした?』

船員「冬窓床殿 お疲れ様です。頭は…見てないです」

船員「資料室だと思います、そんな様な事を言ってました」

『ありがとうございます』ペコリ


この船は快援隊
我らが艦長、坂本さんが率いる 星間貿易を営む宇宙商業船なのです


『資料室…資料室、と…坂本さーん、居る?』コンコンコン


『…』


『…誰も居ないのかな』ガチャ


其処には デスクに突っ伏してスヤスヤと寝息を立てている 赤いジャケットのモジャモジャ頭が居た


『うわ…寝て…なんか酒臭い…ちょっと坂本さーん!起きて起きて!むっちゃんが呼んでるよ』


坂本「ううー…ん…陸奥ぅ?勘弁しとぉせ…あと5分…」


『私、むっちゃんじゃなくて 冬窓床ですー!早く起きて!』ゆさゆさ


坂本「ん… 冬窓床…?」パチ


『何 お昼寝しちゃってるの?また怒られちゃうよ』


坂本「ん…」ぬぼー


坂本「 冬窓床ーん!!」むぎゅ


『ぎゃー!!? 冬窓床だつってんでしょ!!』ポカポカ


坂本「んふふあははは、ええ匂いじゃー」スリスリ


『ね、寝呆けてないで離して…』


陸奥「離してやったらどうじゃ 坂本」ゆらり


ドカ、バキッ


坂本「」プスプス


陸奥「散々探し回ったぞ、何を呑気に寝とるんじゃ、この糞モジャ」ズルズル


坂本「あーれー 冬窓床ー 」ズルズル


むっちゃんに引き摺られていったのが坂本さん…
いつもこんな感じでフラフラしてるので むっちゃんは苦労が耐えない

だから今日も私は 艦長&副艦長補佐として、お手伝いしているのだ


━━━
━━



『むっちゃん、コレ 発注書です』


陸奥「んむ…それにしても 冬窓床はちょっと頭に甘いのではないか?もっと厳しくやらんと付け上がる一途じゃ」


『んー、そうそう無下にもできないよー』


陸奥「…[吸気]をさせて貰ってるから、か?おまんは気にし過ぎじゃ。こちらの仕事を増やされている分のボーナスじゃき、バチは当たらん。干からびるまで吸ってやれ」


『いやいや、本当に死んじゃうよ…それに夜兎のむっちゃんがちょっとだけ [気]を分けてくれても良いんだよぉ?』


陸奥「わ、わしはその[吸気]とやらは性に合わん!
吸われる側の感覚は 男女で違うのじゃろ?坂本から吸え!」


『ええぇ、痛くしないってー…今も ちょっと手を繋いでくれるだけで良いんだから』わきわき


陸奥「ちょ!手を…」


『ほっ』


陸奥「む…」ぴく


『ほら、少し暖かくなって来ない?』


陸奥「少しな!とゆーか顔が近い!もうええじゃろ、これ以上は…」ハァフゥ


『んー、あとちょっと…』べたべた


━━━


船員「お、おい 陸奥様と 冬窓床さんがイチャイチャしてるぞ!」


船員「シャッターチャンスだ!」


船員「美人がイチャイチャしてるのは堪らんな」


船員「カミソリ副艦と安全カミソリ補佐官…絵になるなぁ」


━━━


陸奥「も………そんなに腹が減ったなら 頭から吸って来い!」


『えー』


━━━
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━━━━━
坂本の部屋
━━━━━


『と、言う訳で…むっちゃんに怒られちゃった』


坂本「おおおお!!えぃぜよえぃぜよ!吸気?吸気?」


『まぁ…むっちゃんから少し貰ったから そんなにがっつり吸わないつもりだけどね』


坂本「がっつり吸って下さい」がしっ


『うお どんだけヤル気満々なの』


坂本さんのベッドの隣に立ち、無遠慮に抱き締められた私は 坂本さんの腕の中 集中すると
坂本さんの体温が少しずつ暖かくなってくる


坂本「ん…来た来たぁ…」


『いつもながら 何が「来たぁ」なのかよく分からないんですが』


坂本「ん…ぬ、温いぜよ…」


『まぁ、身体中に巡る[気]の流れを弄ってる訳だから…温度変化は多少あるよね?』


坂本「そ、そうそう、た、多少 じゃ…」


私の頭上にある坂本の口から 荒くなってきた吐息が漏れる
鼻息も時折聞こえて小刻みに身体が揺れたりする

これ、大丈夫かなぁ?
変な中毒症状とかじゃ、ないよね…


『大丈夫?苦しいかな?辞めよっか?』


坂本「や 辞めてくれるな…もそっと、このまま!」


『んむ…前髪、アンタの息で湿気るんですけど』


坂本「ん…すまん、ん…ぬぅ…」


『うあ…おでこに吸い付かないでよ』


坂本「ん、ん、むゅ…」


何が楽しいのか、いつも私の額に吸い付いてくる


坂本「はぁ… 冬窓床のおでこ すべすべ…で、心持ちえぃんじゃ…」スリスリ


『変なの』


まぁ、おっきい犬になつかれてるみたいなので そんなに悪い気はしない

私 動物大好きだし…


陸奥「おい、頭 この書類 記入漏れが」ガチャ


坂本「」


『おっ むっちゃん お疲れ様』


陸奥「坂本ぉぉぉぉぉぉおまんはこがな時間からまた 冬窓床にぃぃぃ 」ドカバキ


坂本「ぎえぇぇぇ 陸奥ぅ!おまんが冬窓床に [吸気]をさせてもええと言うたんじゃろが!」


陸奥「常識的に考えて 仕事ばこなしてからじゃ たわけ!!」ゴキバキガス


坂本「も、もうちょっとやったのに!!殺生じゃ!!」


陸奥「ほいたら溜まった書類ば終わらせ。そしたら続きをしたらええ。そん時は終わるまで邪魔はせん」


坂本「」シュッ


『あれ?坂本さん、消えた?』


陸奥「……もう いつも書類広げとる会議室に向かった様じゃ」


『え?は、はや!どしたの彼?』


陸奥「……余程[吸気]が気に入っとるみたいじゃ」


『へえ?変な人。むっちゃんはさせてくれないのにねえ。個人差かな……あー、まぁまぁお腹いっぱいかも♪私もお仕事手伝うね♪』


陸奥「おんしも罪な女じゃの」


『何の話?』


陸奥「何でもない」


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あきゅろす。
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