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烈々布店長の裏(銀魂)
兎の遠出3/2日目
さて 今日もお登世さんの処で修行だ


目が覚めたら 阿伏兎さんが出て行く所だった
危ない危ない!
お見送り出来ない所だった

この人音も無く移動するから困る


気遣ってくれてるんだろうけど


「朝食は済ませた」なんて言って 結局ちゃんと食べてないもん


仕方ないから 昨夜食べて欲しかった手作り和菓子をあげた


「…ウマいな」


あ もうその一言でノックアウトです

なんかスミマセン
こんな寝癖ぼーぼーの寝起き姿で本当スミマセン

今更 恥ずかしくなってきた


阿伏兎さんが不思議そうな顔と
何か言いたそうな表情で「大丈夫か?」とだけ その口を開いた


大丈夫ですよ、と答えると いつも通り目を伏せて「今日は昨日ほど遅くは無い」と残し 今度こそドアを閉められた


素っ気ないけど…カッコいいなぁ…
一挙一動に大人の色気があるよね

これは… 根性入れて胃袋掴む修行しないと 振り向いて貰えない…


折角 吸気させて貰える位の距離になったけど
私 自分磨きしないと ヤケドして終わりそうだよ…


やっぱりそんなの切ない…


よーし!今日も頑張るぞぉぉぉぉぉ!なんか力が湧いてくるし!!
これ 愛の力かも!なんちって!


あ…昨日は吸気できなかったみたいだけど…キスくらいしてくれたのかな?
阿伏兎さんのことだし、
私、元気だし…

……………
それにしても、ものすごい夢を見たなぁ…
阿伏兎さんと…あんな……………


や、やめよう 顔がマズイ!ヤバイ!
ニヤケどころじゃない…色々止まらない!
火が出る!
洗ってこなきゃ!!


でも 阿伏兎さん、昨夜はソファで寝たのかな?
阿伏兎さんのベッド、キレイなまま
どうしてだろ…

なんか…気を遣わせ過ぎてる…?



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スナックお登世
━━━━━━━


『すいません、無理言ってこんな時間から相手してもらって…』


お登世「いいんだよ、たまに頼んであるから。あたしゃ休んでるからね」


『ありがとうございます』



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━━━━
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━━


神楽「おはようアル!!」ガラッ


『へ 神楽ちゃん?早起きだね』


神楽「私はいつだって早寝早起きよ!それより今日のご飯は何ネ?」


『あ、えっと 今作ってるのは お浸しと煮物だよ…た、食べる?』


神楽「うおおおおおおお」ガツガツガツ


『早…若さ…か?』


たま「神楽様は夜兎族ですから」


『あ…そうなんだ…』
(確かに色白で 団長に少し似てるかも…若いからかなぁ
てか私のご飯で お腹膨れたりしないかな?)



神楽「おかわり!!」


『はい』(夜兎全員に効く訳でもないか…毎回じゃなかったし)


神楽「おかわ…ん…」


たま「どうされました?神楽様」


神楽「なんか お腹膨れてきたネ…おかしいネ、調子悪いアルか?」


『(あ…効いた…)』


『え、えっと、私の作る料理は 夜兎族の方にも 満足してもらえるみたいなんです』


神楽「おおお!何だソレ!凄いアル!!冬窓床、夜兎に会った事あるアルか?」


『ええ ご飯屋さんという接客業ですから』


神楽「食欲にビビらなかったアルか?」


『ま、まぁ…でも大概 神楽ちゃんみたいに満足してくれたみたいで』


神楽「へぇー 不思議アルな」


『うん…私も、理由はわからないんですが』


神楽「わからない?」


『私…コックさんをする前の事は、記憶喪失で覚えてないんです
だから私を拾ってくれた今の職場の人達には感謝してるんです』


神楽「記憶、取り戻したいアルか?」


『んーん、今が幸せな分 もういいんです
それに、嫌な、怖い記憶かも知れないでしょ
けど、私の料理がどうして夜兎さんにも適量で満腹感を与えられるのかは知りたいかも…』


神楽「ふーん…そっか…ごちそうさまアル」


『あ もーいいの?何処行くんです?』


神楽「もっかい寝てくるアル」


『ご飯タカりに来る為だけの早起きかよ』



━━━━━━━
スナックお登世
━━━━━━━



お登世「そろそろ いい時間だね…
冬窓床、あんたもう レシピ集めとやらは今日で終わりでいいのかい?」



『はい、お陰様で素敵なレシピが集まりました、本当にありがとうございました!』



お登世「そうかい…また江戸に来る事があったら顔出しな、今度は客として」



『はい!ありがとうございます!あ、あの』



『これ、合間に作ったんです!お菓子…皆さんで食べて下さい!たまさんには 珍味なオイルを…』



お登世「おやおや、気ぃ遣わせちまったみたいだねぇ、ありがとよ
コレ、少ないけど取っといておくれ」




ピラと 封筒が出される



『え、これ…お金…お給金?ですかまさか
ダメですよ、貰えません、私が押し掛けたんですから』


お登世「いいじゃないか、あんたプロなんだろ?レシピ集めとは言え自分の腕に恥じない料理を うちの客にも出してくれたんだ
これくらいさせておくれよ」



何も言えなくなってしまった
こんな事言って貰えるなんて


「そのかわり 江戸に来たらちゃんと顔見せに来るんだよ」



『はい!ありがとうございます!』



私の声 震えてしまった



たま「冬窓床様、どうかお元気で」


キャサリン「チョット可愛いからって調子こきやがって、でもアンタ、やるようダネ 私のライバルと認めてやるから また来イヨ」



『はい…皆さん…ありがと…ウッ』


ガララッ


神楽「おーい 冬窓床!おまえの作る料理のメカニズムが知りたい言ってたアルな!!解明するチャンスが来たアルよ!」


『…え?』



━━━━━
━━━━
━━━
━━



『……つまり、平賀源内さんて方に 診断する機械を作って貰えるの…?』


神楽「おうよ!じいさんは天才ネ!」


『うーん…知りたいっちゃ知りたいけど…そんな必要性を迫られないような…』


銀時「いかーん!」ガララッ


『へっ』


銀時「ちゃんと自分の能力くらい把握しておきなさい!お母さん許しませんよ!」


『えええ…ちょっと待って下さい、銀さんのその高いテンションは…私からお金取るんですよね?
もうあんまりお金無い(銀行行けばあるけど)から今回は辞めておきま…』


銀時「いや、その件に関しての報酬は 飯を作ってくれりゃいいから」ニコッ


『え?』



意味深な言葉を残して、銀さんは
「じゃ、明日ね!うちの朝ごはん作ってくれといても良いんだからね!」
と、去って行った



うんと、私もホテルに帰ろ
今日は阿伏兎さんが少し早いはず…




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あきゅろす。
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