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烈々布店長の裏(銀魂)
兎と魔法の指示2(本番無し)
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彼目線
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恥じらいながら、隠そうとする胸元
彼女の耳も頬も、とても血色が良い

そんな表情や姿を見せられて、気持ちが沸き上がらない筈も無い

視角に直接過ぎる攻撃だ
胸の谷間、腹も足元も露出させ過ぎだ



ダメだ…
此所は、俺達の船じゃねぇ…
ダメだ…


一握りの冷静さは、脳裏とは裏腹に 今までコイツと重ねて来た数々の 色気のあるキスを思い出す

甘い唇の軟かさ
今 味わいたくて仕方が無い
一層 胸が、ギュッと締め付けられる


嗚呼、視線 逸らさないでくれ

その欲望を叶えたなら、きっと もう我慢するから━━
第七師団の船に戻る迄 冬窓床とは 淫らなやり取りは抑えるから━━

胸に、誓いを唱えて 口の端にキスをする


『ん…!』


逃がさない顎、小さく喘ぐ首筋、
でも唇にはそっと。舌は入れない

クソッ………


解ってる
今 誓ったばかりだ

だが
したくなるんだ

知ってる

結局、抑えきれずに 深みに嵌まってる…
何てこった

こんな押し問答
これじゃ…クソ


困り果てた俺は情けなくも、次には言い訳を並べちまう


阿伏兎「ココは第七師団の船じゃねぇ。人ん家も同然だ」


『そ、そうですね』


阿伏兎「解ってる?」


『は、はい…』


あー
くそ………
何、潤ませた その目
抱きてぇ………


阿伏兎「防犯カメラが備え付けられてるかも知れねぇし、団長だって何処に潜んでるかも分からねぇ」


『団長が敵側認識なの、ホント困りますね』


阿伏兎「ああ だから…」


『??』


阿伏兎「吸気してくれ」


『えっ?い、今ですか?』


阿伏兎「俺が気絶する位、強力なヤツを頼む」


『気絶って…』


阿伏兎「そんな格好されると、オジサン ダメになっちまうんだよ」


『あ え…』カァァ


阿伏兎「キスだけで我慢できるかと思ったんだが、浅はかだったわ」


『…は、はい 分かり、ました』カァァ


そう、俺はいつだって浅はかだ

冬窓床 あんたの事となっちゃあ、妄想や煩悩で 止まれない
終わらせらりゃしねぇ
計算機能がズレて狂っちまう…
悪い魔法みてぇだ


覚悟を決めた冬窓床が俺に触れる
抱き締める

この、口付けすらしていない状態で 彼女の体温が俺を侵食していくので
身を委ねる

既に 泡立つ肌

嗚呼
クる
甘い波が、欲望を叶えようと
俺を潤して


未知なる世界では無いものの、身構えるが
包まれる、この感覚にがんじ絡めにされる


風船が割れるのを待つ感覚
注射を待つ感覚
高い所から落ちて、地に着地を待つ感覚


畏れにも似た、迎え入れる臨戦態勢


阿伏兎「……ッ、うッ」ゾク


背中に回る腕
一瞬で呑まれる

俺の頭部をざわりと撫でて 性感に染まる肩が、身震いする


阿伏兎「ッッ……ぁ…」


声が漏れる


『ホントに気絶、する程 良いんですか?』


阿伏兎「おぅ…やってくれ…」


肉欲に負けて醜態を晒す位ならば、潔く 機動不能にしてくれ

なぁ
いっそ 甘い甘い、アンタに すぐに溺れたい


『分かりました…』


彼女が、覚悟を決め 正に精気を吸わんとする 瞬間


阿伏兎「ダメだ やっぱ」


『んっ…!!?』


この唇を、不意討ちであてがい やや強く押し当てる

舌は入れない
入れてぇけど、入れない


嗚呼
俺のこの、憤りも気まずさも恥じらいも
汲んだ冬窓床が、強烈に吸気する

精嚢から、直接吸われてるかの様な
もう 性的アピールの次元を越えてる段階だった


阿伏兎「闇に落ちる時もキスしたままがイイなんて、ロマンチスト過ぎるかぁ?」


なんて、恥ずかしい 俺の言葉は言葉として形にならず 脳裏の奥に沈んでいった
俺の意識と共に…


いや
言えなくて良かった
聞こえなくて良かった

おじさんが気持ち悪ィだろ…
こんなお嬢さんに こんな事…

只でさえ そんな衣裳一つに踊らされ、振り回されてるなんて、なぁ?


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ヒロイン目線
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卑猥な下着から、ちゃんと着替え直した私は、
吸気で気絶している阿伏兎さんに声をかけた。


『…阿伏兎さん』


阿伏兎「あ、あ…」


阿伏兎「!!」ガバッ


阿伏兎「俺は、気絶…して?どのくらい寝てた?」


『気絶させちゃってすみません、小一時間程です』


阿伏兎「団長は?」


『もうすぐです』


阿伏兎「そ、そう…」


阿伏兎「ん………?」


阿伏兎さんは何かに気付いて、衣類をチェックし始めた


阿伏兎「あの…俺、あんたに気絶させられたのに、下着が汚れてねぇみたいなんだけど…」


『あ……えっと』


しまった
そうだ 彼が射精で汚した部分は…
恥ずかしいけど仕方ない
白状を余儀なくされた


『拭うのは勿体なくて、ちょっと…失敬しちゃいました。』


阿伏兎「お、おま 失敬て…」


『だ、大丈夫!局部は露出させずに、私が口を直に付けて啜るというか』


阿伏兎「ちょっと……黙ってくれ……」ハァ


『あ、阿伏兎さん ごめんなさい…』


どうしよう
食い意地の張った女だと思われたかな…
愛を届けるくらいのつもりで行為に及んだんだけどなぁ

精液は拭ってしまった方が良かったかなぁ
そう後悔して、阿伏兎さんの顔を見やる


阿伏兎「…」


あれ


耳が真っ赤
口元を手で覆って 言葉を発せられない様子で…??


『阿伏兎さん?』


阿伏兎「………ここは、俺達の船じゃねぇんだから!そ、そーゆーコトは…慎んでだなぁ?」


阿伏兎さんが こんなに照れるなんて 想定外だった

確かに、私はとても恥ずかしいコトをしてしまったみたいだけど…


神威「お待たせー」


阿伏兎「団長!」


『やっと来た!』


神威「ちょっとまったりし過ぎたかな?待った?」


阿伏兎「待った?じゃねぇよ すっとこどっこい!」


『そうですよ、お陰で私達大変だったんですから』


神威「大変?何が?」


『え、あ ま、待たされたり…』


阿伏兎「大っ変、面倒で迷惑だったんだよ!仕事は捗らねぇし!」


『そ、そうそう!』


神威「へぇ その割にはそこまで怒ってもいないようで良かった」


阿伏兎「うるっせぇ」焦


『も、もう!早く第七師団の船に戻りましょ!仕事仕事!!』


さて、誤魔化したけど団長は…どうなんだろう?
また子と結託してるんだかしてないんだか
とにかく困った人だ

いや、でもまた子と企んでるコトだったなら、この人のコトだ
もっとからかってくるハズだから 多分 私と阿伏兎さんがしてたコトは知らないハズ…

多分私と同じ懸念を抱いている疲れ顔の阿伏兎さんを横目に、
私は足早に厨房へ赴く。


end


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あきゅろす。
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