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烈々布店長の裏(銀魂)
兎と嫉妬のドレス
阿伏兎「新しい服かァ?珍しい色味だな」


『あんまりこういうの、持っていないから…どうでしょう?』


阿伏兎「似合ってんじゃねぇの?ちょい新鮮な印象だなぁ」


『わぁ 良かったー!団長が喜びますー!』

阿伏兎「団長?」

『珍しく、贈り物をくれたんですよ。[デートに着て行けば?]って…』



新しい私の装いを見てコメントした彼に そう、ありのままを話した瞬間、その表情が 変わった


阿伏兎「冬窓床に?くれたの?何で?」


『え?確かに何でかな…わからないんですけど、何か頂きました』


阿伏兎「…………そんで、着てきたの?」


『やっぱり似合いませんか?』


阿伏兎「そうじゃねぇんだよ」


『?』


阿伏兎「…」


そんな沈黙の後 阿伏兎さんの小脇に抱えられるようにして連れて来られたのが、宇宙百貨店だった。
どうやら宇宙中の紳士淑女のオシャレアイテムが揃うオシャレシティらしい

きらびやかな店内の奥に居る店員に声を掛けて「衣裳を見繕ってくれ」と 私を預けた。

外れに置かれているソファーに腰掛け 阿伏兎さんは やや無卿そうに其処で待っていた。


『え、あ??…え?』


突然だし 阿伏兎さんが不機嫌そうな顔をしたと思ったらこんな所に連れて来られて、何もかもが分からない。

商品を持って来ては着付けを手伝ってくれる店員さんも スタイルだの色味がどうのと褒めそやしてくれるが始終 ポカンとした顔で 私は滑稽だったに違いない。

上から下まで着替えさせられて 阿伏兎さんの前に御披露目だと立たされた時は 彼はちょっと驚いたような表情をして
かと思えば直ぐ様支払いを済ませて 私の手を引いて歩き出した。


『あのっ さっきのお店って何なんです!?あと 洋服のお金とか…どうなって━━』


阿伏兎「良いから」


私の言葉を遮り、また別の建物に連れて来られる。

いつの間に目の前に現れた小綺麗な自動ドアをくぐり抜けると、設置された移動装置がある。阿伏兎さんに言われるがまま 倣い 其処に立つと 転移した。

部屋だ。旅館…ホテル…??
体を休ませる為のベッドとソファー。
他にも部屋はありそうだがこちら側からは見えない。


『あ、あの どうして…』


阿伏兎「団長の こったから テキトーな事を抜かして ソイツ(その服)を押し付けたんだろうよ」


『へ?あ、ああ さっき着ていた服ですね』


阿伏兎「だが、無用心に他所のオトコから貰った服なんて着るモンじゃねぇぜ?」


『だって…』


阿伏兎「オトコがオンナに服を贈る意味なんか 数える程もねぇんだよ」


『え?どういう意味で━━』


阿伏兎「[そのドレスを脱がせたい]」


『━━!!!』


耳奥に響いた 阿伏兎さんの声が ゴングのように この胸を焼き点ける

やや力任せに抱きしめられたかと思えば この唇は彼の唇で塞がれて 言葉は物理的にも精神的にもかき消えた。


『ん…んぁ…』


口付けするも彼は 吐息だけで呼応して 私の声だけが この殺風景な部屋に広がる

唇を食むようにやわやわと甘噛みする
いつもと少し違うキスに思考が溶ける

翻って
私の体のラインを荒くなぞる指先
胸を数度 強めに撫でたり

腹部を温めるように、手のひらを押し当てたり
ヒップはつねるみたいに弾いたり

そうこうしてる間に、さっき着せられた服はスルリスルリと 手品みたいに脱がされてしまった


阿伏兎「良いねぇ」


『な、何が…』


阿伏兎「全裸に、イヤリングやネックレス、ブレスレットは付けたままで」


『これは…外すタイミングが…』


阿伏兎「お前のドレスを、着せるのも脱がすのも [俺]だ」


『…!』


阿伏兎「脱ぎ捨てた着衣の下は、どんなドレスより華やかだ」


『阿伏、兎…さん…』


阿伏兎「その裸体でこそ、アクセサリーは輝いてるぜ…??」


余りの褒め殺しに赤面を禁じ得ない

そして 彼は笑顔、だけど目は笑ってない

これは…
もしかして、し、嫉妬??
あの 阿伏兎さんが?


『んっ!!』


また塞がれる唇
近付いた彼の髪が乱れる ささやかな音
無精髭も チクリと刺さった


少し、怖い

怖い……けど


それ以上に……


阿伏兎さんが、嫉妬だなんて
こんなこと、考えてることがバレたら、嫌われちゃうかも知れないけど


嬉しい…そんなに愛されてるなんて
貴方が 嫉妬する程?

ねぇ 自惚れちゃうよ?


━━━
━━

━━━
彼目線
━━━


団長からの、洋服だって?
ンなモン許せる訳ねぇだろ。

薄暗い、音の無い怒りと独占欲のキスで 彼女の呼吸を奪った
乱れてカブリを振り、躊躇いながらも うっとりと堕ちていく冬窓床の姿を想像していたが その時は違った。

躊躇いなど見せぬ彼女は 俺のボトムをまさぐり、熱膨張を始める俺の分身をおもむろに掴み 外気に晒した


阿伏兎「…!!」


『阿伏兎さん…』



熱を纏った瞳が俺を射抜く
夜魔の淫靡な気を感じた。


阿伏兎「積極的だな…??」


『私が至らない所為で、阿伏兎さんを…不快な気分にさせてしまったみたいなので…その…』


阿伏兎「…」


気に病ませた…
不甲斐ない
知ってる
こんな事を言わせたいんじゃない
解ってる

こんなのは、俺の下らない独占欲が主張してるだけで正統性など無ぇんだ…


阿伏兎「ッッ…ぅ…??」ビクッ


オトナ気無さに反省する思考に割って入るのは その手つき。

俺の敏感な其処を 本人は只 持ち上げているだけという 卑猥な出で立ちだ。

どうやら、夜魔の気が 電流のように流れている。
じわじわと性感が押し寄せる。


阿伏兎「………ッッ……」


触れているだけなのに、気を抜けば 達してしまいそうだ。

甘い痺れ
下腹部に力が入る

いや ダメだ まだ…
折角キレたんだ、せめてもう少し 俺の心持ちを知らしめてやりてぇんだよ…



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あきゅろす。
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