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烈々布店長の裏(銀魂)
兎と悪酔い花火
今日俺達は なんやかんやで また地球に来ている
団長のワガママ一つで なんだってここまで駆けずり回らねぇといけねぇモンかね

まぁ…救いとしては 冬窓床と観光がてら 界隈をぶらつける事か…

それにしても 大分時間が掛かっちまった
結局夜飯をその辺で済ませて、今日はここらで宿を探そうかと考えているときに [ひゅるるるる]と音を立てて そいつは空高く打ち上がった


たまやー
かぎやー


そんな歓声が周囲からして 俺達も足を止める


『わぁっ 花火ですよー!!キレイ!!』


阿伏兎「おー、祭りでもあんのかぁ?」


『江戸は秋口ですからね、この時期 たまにこんなイベントをやってると聞きます…あっ また!!』


阿伏兎「……見ていくかい?」


『…………ちょっとだけ………』


遠慮がちに、微笑む冬窓床。しかし彼女の目は夢中で花火を追っている
その様に 笑いがこみ上げてしまうが 同じように 天を見上げる


…花火が上がる度 彼女を横目でちらり
それはそれは楽しげに揺れる眸だ
俺まで胸が踊りそうだ

プラトニックな気分で、ほのかな幸福感がくすぐったかった

━━━━冬窓床の手が、俺の外套に潜り込むまでは


阿伏兎「…寒いのか?」


『…少し。ちょっとだけ…温めさせて下さい』


阿伏兎「……っ…」


不意打ちだからと言って、顔色は変えない。ああ、意地でも。こういう時は さりげなく肩を抱き寄せてやるもんだろ

と、
外套を広げようとした時、既に内側にあった冬窓床の手が 外套を広げようとする力に抵抗していた


阿伏兎「??」


何がしたいんだ?そう問いかけようとした瞬間、股間に違和感


阿伏兎「……????」


『♪』スリスリ


阿伏兎「……なんで、其処におまえさんの手があんの?」


『寒いからぁー…えへへへへへへへへへ』


阿伏兎「……その笑いは……酔っ払っ……え?ねぇ、おまえさん、酒 飲んでないよね?さっき何か飲んだっけ?」


『阿伏兎さんのジュース、一口だけ貰ってえへへへへへへへ!!』


阿伏兎「……いつ飲んだ?俺、席、立ったっけ…いや、立ったわ。トイレに一回だけ行ったわ…」


『あのジュース、ちょっと体が熱くなったけどえへへへへへ美味しかったよ!!でも今は寒くてね!えへへへ温めさせてへへへへへへ』


阿伏兎「……なんで時間差で酔いが来るんだよ」


『えへへ、体質かなーへへへ阿伏兎しゃん好きへへへへ』


阿伏兎「ダメだ。宿に向かうぞ」がしっ


『やーん、花火ぃー』


阿伏兎「おまえ、放っといたら暴走すんだろうが」


『花火、見せなさい』キッ


阿伏兎「おまえさんなぁ…」


『もうちょっと付き合ってくんないと…こうしてやる!』ぐいっ


阿伏兎「あ?…んむ…」


『…ん…』


引っ張られたかと思えば 強引にキスをされた

しかしいつもと違う、どこか幼いキス
舌の動きか 鈍い。やはり酒に酔っているからなのか…
普段程の刺激は感じなかった

真に飢えたときの冬窓床を知っているから…
これくらいならどうということは無ぇ

ガチで生気を本当に欲しがっている冬窓床はスゲーぞ
キスの一つでも全然違うん………


阿伏兎「……ん…!?」


『あん、まだ唇離しちゃダメー』


阿伏兎「な、んだ……コレァ…??」クラッ


『さっきの調味料店で、いっぱい発注した時に、店のオッサンがオマケで男性用の媚薬をくれたんらよー。今 唇に含ませて飲ませたげたの!!』


阿伏兎「あ?」


ちょっと待てちょっと待て…冗談じゃねぇ


阿伏兎「んな得体の知れねぇモンを飲ますなよ!おまえさんは団長か!!解毒薬は!?」


『効果は自然消滅するって。怒らないでよーえへへへ』


阿伏兎「えへへで済むか!!クソッタレ!!あんのエロジジイ、なんつーもんを…」


『阿伏兎しゃんがいけないんだよー、花火見せてくんないからー』


阿伏兎「ああン?」


『ほらほら、続き 見ようよ』


阿伏兎「おいこら、逆効果だとは思わねぇのかァ?この俺にそんなモンを盛って…連れ込み宿にまっしぐらするに決まってんだろーが」


『……っっ』


阿伏兎「どうしたぁ、おい??顔、赤ぇぞ」


『あ、阿伏兎しゃんのそんな…表情、ドキドキしちゃうなぁ』


阿伏兎「………」


『阿伏兎しゃん、どーして頭 抱えてんの?』スリスリ


阿伏兎「…普段と落差が激し過ぎんだよ…」ハァ


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