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☆銀魂の小説(夜兎組/長編)
空腹なんです
ああ…ちょっと貧血みたいな…
クラッとするなぁ

生気不足かなぁ

少し、お腹すいた感覚…


たまにちょっと辛い波が来るよぅ

あとでこっそり鈍感な団長から 生気を失敬しようかな…普段の迷惑料に、許されるよね…


阿伏兎「おう 紫竹………おまえ大丈夫か?」


『へ?ど、どうかしました?』


阿伏兎「いや…顔色が…俺達くらい白いぜ?貧血かい?」


『あー、ちょっと貧血ぽいかもしれません』


阿伏兎「んー………今日はもう仕事は休んでおきな。厨房の他の奴らに言っといてやる」


『あ…良いんですか?す、すみません』


阿伏兎「ああ。しっかり休めよ」


私……………そんなに酷いカオしてた!?

阿伏兎さんに一礼して離れた瞬間 鏡でチェックしちゃったよ

うーん………まぁ 確かにちょっと血の気は無いかもだけど……

好きな人に気を使われちゃうなんてショックだよね


確かに…うん、お言葉に甘えて少し休もう


━━━
━━



━━━
彼目線
━━━


阿伏兎「紫竹??」


『…』


阿伏兎「おい、紫竹」


通路を歩いて 自室に向かう途中、突っ立ってる彼女を見付けた

いつも少し様子が違って見えた

着崩した普段着…??に短パン…て、こりゃ寝間着か?


声を掛けてもボーッとしている
聞こえてないのか?

さっき顔色が悪かったこともあるし、どこか具合が良くないのなら…そう思い紫竹の肩に触れた


『阿伏兎…さん??』


阿伏兎「おまえ…休んでろつったろ?どうした?」


『………お腹 すいて……』


阿伏兎「あ?食ってねぇのか?厨房にもなんもねぇの?」


『……量はちょっとでいいから……』


阿伏兎『……ちょっとでいいから?作るのが面倒だってか?……はぁ…ちょっと俺の部屋ん中で良いから入って待ってろ。すぐに戻るから、待ってろよ!!』たたたっ


『…』


━━━
━━


━━━
20分後
━━━


俺の部屋の前、紫竹はしゃがみ込んで待っていた様子だった


阿伏兎「おっ おまえ…部屋ん中入って良いつったろ…」


『……んー……』


阿伏兎『良いからホレ、入れ』ガチャ


『…』てくてく


要領を得ない動きで俺のベッドに腰を掛けたので 大急ぎで作って来た 粥を差し出す


阿伏兎「ほら、食え」


『…何??』


阿伏兎「急いだからこんなモンしか出来なかったが、玉子粥だ」


『………ん』あーん


阿伏兎「…!!??」


紫竹は口を開き、俺に給仕を催促している様だった


阿伏兎「ったく…ほら」


口に 粥を掬った匙を運んでやると 咀嚼する


『おい、し』


阿伏兎「………」


繰り返し、匙を運んでやるが 途中 紫竹は 匙を持っている俺の腕を掴んだ
掴んだまま、大人しく給仕を受けている

何なんだ…………??


『おいし…』もくもく


阿伏兎「………大丈夫かよ、ホントに……」


『ごちそうさま…』ごろん


阿伏兎「………食ったらオネムですか?ったく!!大人しくしてろよ!」ばたん


食器を厨房に戻すべく 俺は一度部屋を出る

…………クソッ

明らかにいつもとは違う…

どうしたもんか…


頭を抱えたまま部屋に戻ると 紫竹は俺のベッドに居て 枕に突っ伏していた


『くんかくんか』


阿伏兎「ぎゃあああああああやめろぉぉぉぉぉぉ」


『くんくん』


阿伏兎「アホか!!離れなさい!」バッ


『あーん 取ったー』


阿伏兎「おじさんの枕なんて嗅ぐモンじゃねぇよ、ホントなんなの」


『良い匂いなのに…』


阿伏兎「………は??」


『良い匂い』


阿伏兎「……変わったご趣味で……」


『じゃあいーよ、コッチを嗅ぐから』ぐい


阿伏兎「のわっ」


紫竹は俺の頭に乗っかってきやがった

え?何何コレ何何何これ何何何何なんなの


『』すんすん


首……首元の匂いを嗅いでいる……


阿伏兎「ぎゃあああああああ!!」


『………んー』すんすん


阿伏兎「やめろぉぉぉぉぉぉ」ぶんぶん


『やー』すんすん


阿伏兎「離れろぉぉぉぉぉ」ぶんぶん


『阿伏兎さぁん』


阿伏兎「な、なんだよ」


『良い匂い』


阿伏兎「…!!」




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