☆銀魂の小説(夜兎組/長編)
兎と妙なゴリラ
神威「地球の珍しい料理が食べたい」
阿伏兎「…」
『(また始まった………思い付きとワガママと自己中…)』
神威「なんかないの?そんなメニュー」
『いやぁ……皆さんにお出しできるメニューは結構出し尽くしてしまって…』
神威「じゃあ買い出し行って来て。地球に。」
『……え?』
神威「こっから近いから、探索艇使って良いよ」
『わ、私 一人で?』
神威「じゃあ阿伏兎、付き添いで」
阿伏兎「…………」はぁ
『ちょ…阿伏兎さん、あまりの突飛なスケジュールに言葉も出てない!』
阿伏兎「良いんだ…どうせこんなこったろうと思ったよ…団長にゃ何言ってもムダなんだ…ほれ、行くぞ」
『ええええええええ』
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地球
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『本当に大丈夫だったんですか?阿伏兎さん、他にお仕事あったんじゃ…』
阿伏兎「…前の出張で 団長に借りが出来ちまったんだ…」
『う、うわ…団長への借りって 高そうですね』
阿伏兎「さっさと調達してさっさと帰るぞ…」
呟いた阿伏兎さんは疲れた顔をしていた
いつもより生気の無い顔は
日頃の無理のせいだろうか
『でも、何を買って来いって言うんでしょうね??[珍しい料理]ってキーワードだけじゃ難しい…』
阿伏兎「そこはアンタに任せた。俺ぁ料理のコト、ましてや地球の料理についてなんて何も分からねぇしな」
『ひええ…マジですかぁ』
阿伏兎「しかし…暑い…な……」
『そうですね…地球は夏でしたね』
阿伏兎「アンタ、よく平気だな」
『さすがに種族の差かと…日陰を歩こうにも あまり無いですもんね』
阿伏兎「……っ」フラッ
『ちょっと!!大丈夫ですか!?』がしっ
阿伏兎「す、すまね………」
『あ、阿伏兎さん!?阿伏兎さん!!』
阿伏兎「…っ…」
『…!!』
彼は返事が出来ない程 消耗していた
連日の疲労困憊のせいか、または夜兎族にとって この日照りは相当堪えるのか…
どちらにしても、このままでは危険だ
せめて休ませてあげないと…
大きな身体の彼を肩で担ぎ上げた状態で 私はオロオロと辺りを見回すばかりで
その時、女性の声がした
女性「大丈夫ですか?」
『あ……あの、この辺りで彼を休ませてあげられる場所はありませんか!?横にしてあげないと…!!日射病とか熱射病とかそんな感じなんです!』
女性「あら 困ったわね……この辺りは住宅街だし…」
『大丈夫です、少しくらいなら歩けますし 路銀もありますから…』
女性「……宜しければ、ウチで 休まれていきますか?」
『え………あ、いえ 人様のお家に突然お邪魔するつもりは……』
女性「そちらの方の様子を見ると、早く横にしてあげた方が良さそうですし、私の家は近いので…どうぞ、いらっしゃい」
そう言って 彼女は阿伏兎さんの身体を運ぼうと、手伝ってくれる素振りを見せた
悪い人では無さそうだ
『あ…う………では、少しの間だけ お願いしても宜しいですか?長居が必要そうなら、病院に行きますから…』
女性「判りました。さ、いっせーので 進みましょう」
『あ、大丈夫ですよ、私一人でも持ち上げられます。これでも私 普通の女性よりは力があるんです』
女性「まぁ 奇遇ですね、私も普通の女性よりは力持ちなんですよ」
そう言ってにこりと笑う顔はとても涼やかで美人だと思った
女性「ちょっと彼氏さんに触っちゃいますけど、許してくださいね」
『かっ、彼氏さんて!!そ、そんな…』
また フフフと 悪戯っ子のような瞳で軽く笑った。
ああ、でもそうか 女の人のお宅を借りるのだ
私と阿伏兎さんの関係は恋人同士くらいに設定しておいたほうが安心させてあげられるのかも知れない
『ま、まぁ…こんな時に嫉妬とかしませんて…勘弁して下さいよ』
女性「まぁまぁ、さ 着きました。上がって下さい」
到着した[家]というのはとても大きく「恒道館道場」 そんな文字が見えた
『道場…??』
女性「年季は入ってるけど、結構広いんだから 遠慮しないで」
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