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☆銀魂の小説(夜兎組/長編)
抱擁とおにぎり
━━━団長はいつも暇そうにしている


神威「ねぇねぇ 紫竹、小腹空いたんだけど 」


『はいはーい、夜ご飯の仕込みしてるから待ってくーださーい』


その分、阿伏兎さんに皺寄せがいってるみたい
きっとそのおかげで阿伏兎さんの顔面にも皺寄せがいってるのかな
30代には見えないもの…

団長のワガママを真面目に聞いてたら、きっと私もあんな風に若さを吸われて…こっわ!ガチで怖い!老けたくないし!絶対嫌だ!

だから私は毅然とした姿勢で立ち向かうことに決めたの!!



神威「ねーえ!おにぎりとかお菓子とか 何か無いの?」ズイッ


『…顔、近いんですけど』


神威「俺、端正な顔立ちだから こーやったらイイ気分になって 何か食べ物くれるかなって」


『キャバクラでキレイなオネーチャンに鼻の下伸ばしてるオッサンですか、私は』


神威「食べ物 ちょうだい」


『…大体、この船の大食らいサン達の為に いくら私が満腹感ある節約料理しても 団長がパカパカ食べまくってたら意味無いじゃないですか!』


神威「俺、成長期だし」


『ったく…人の苦労を…ブツブツ』


神威「 紫竹が来てから かなり節約出来てるよ。
でもどういう理由なんだろうねぇ
紫竹の作る料理と 満腹感の関連性」


『…さぁね』


神威「作り方は他のシェフと変わらないし」


『…そう、見えます?』


神威「うん。原理を俺にも教えてよ?」


『企業…秘密です…』ふらっ


神威「え? 紫竹?」


突然 足の力が抜けて ガクンと膝を付いてしまう
流石に団長も驚いている

どうしよ…力が入らない


神威「どうしたの?具合でも悪いの?生理?」

『本当に一言余計だし残念なイケメンだなぁ』

神威「イケメンだなんて、照れるなぁ」

『阿伏兎さんからデリカシーの何たるかを学んで来い』

神威「結構元気じゃない」

『あーもー……企業秘密、教えてあげましょうか?』

神威「バラすの早くない?」

『協力、してくれるなら…だけど…』

神威「協力?」

『そのかわり、今日の夜ご飯では 確実な満腹感を約束する…よ?』

神威「……面白そうだね。俺は何をすれば良いの?」

『……手、を繋いで…』

神威「こう?」ぎゅ

『うん…』

神威「あははは 老衰見送る孫の気分」

『………真面目な話なんですけど』

神威「次は?」

『そのままで良い…私に、エネルギーを下さい…』

神威「…エネルギー?」

『今まで、特に言う必要も無いので公表してませんでしたが、私は[夜魔]という種族です』

神威「夜、魔?」

『宇宙には数種類の夜魔が分布してますが、私は生物から生気、精気を貰って生きてます。
通常の食事でも生きていく事は可能ですが、それだけでは能力を使えません』

神威「能力って?」


『今 私が使っている能力は、貴方達 夜兎に満腹感を与える [気]の循環を利用した…料理方法なんです』


神威「解りやすく言ってよ」


『普段、私は夜兎である貴方達から、知らず知らずのうちに[気]を貰ってます。
ご飯を作る時に、貰った[気]を練り込むのです。
一度 私の体内を循環した[気]は化学反応を起こし、夜兎達の体内で活性化して 元気にする効果があります』


神威「それが、満腹感の正体?」


『はい…満腹感だけじゃなくて、栄養素もちゃんと補えてますからね
だけど、たまに私の中の[気]が足りなくなります
料理を作る回数が増えたり、皆さんから貰う[気]の量が少ない時です』


神威「へぇ…皆から貰う[気]の量が少ない時は、 紫竹の料理を食べても あんまり満腹感が得られない事もあるって事?」


『そうですそうです』


神威「ちなみに どれくらいの[気]の量があれば 紫竹は 満足に動けるの?」


『お、多くは望んでません。
酸素を吸って二酸化炭素を出す夜兎の皆さんの、二酸化炭素を貰ってる植物みたいなものなんで…』


神威「今 俺から[気]をどれくらい吸えた?」


『…貧血が治まる程度には』


神威「吸い過ぎたら、俺への副作用とかあるの?」


『………個人差があるので、何とも…』


神威「面白いね、じゃあ俺から [気]を、ちゃんと吸えば良い!
美味い夜ご飯を作ってね♪じゃないと…」


『殺しちゃうんですよね…はいはい』


神威「ほら、どうやって吸うの?」




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あきゅろす。
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