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烈々布店長の裏(色々詰め)
武士とお薬騒動2
私はばいきんまんを探すべく、意気込み高らか歩き出した
ばいきん城まで赴くべきかとも思ったが、彼は案外近くに居た


ばいきんまん「ハーヒフーヘホー!」


まぁ 例によって例のごとく、子供たちのおやつを狙って追いかけ回していただけなんだけど…


営巣期の気が立っているカラスか、あんたは!と、
声を掛ければ逃げようとするので ちょっと強引に肩を叩いてみた。


ばいきんまん「離せぇぇぇ!!」ジタバタ

『話があるの』

ばいきんまん「俺様 話なんて無いもんね!!」

『うっかり惚れ薬の事、ドキンちゃんにバラそうか?』


こんなやり取りをすれば ばいきんまんは大人しく従った。
ポカンとする子供達を後に、人の出入りがなそうな木陰に潜む


『あの…お薬って、どこまで効果があるものなの?一時的に?それとも永続的に?』

ばいきんまん「2,3時間で効果は切れるって手紙を添えなかったかー」頭ポリポリ

『つまり、相手にずっと好きで居てもらえる効果は無いの?』

ばいきんまん「あー そこまでは知らないからな」

『知らないって…』

ばいきんまん「俺様は天才だけどな、人の心を永久にガラリと変えてしまえる薬を作れるわけじゃないんだよ。」

ばいきんまん「人の心ってのは、俺様の薬といえど簡単に変えられるもんじゃない。そんなんでコロコロと他人の考え方までも変えられるモノは[薬]ではないだろ?[人格破壊の毒薬]だ」

『…ごもっとも』

ばいきんまん「そんな一時的効果のある薬の持続性が切れてからも
好きで居てもらえてるんなら、成功じゃないのか?」顎ポリポリ

『成功…??』

ばいきんまん「お前の魅力で落としたんだろ。じゃあ薬自体は、キッカケに過ぎないだろー」

『………』カァァ

ばいきんまん「お?お?何だその顔!!ギャハハハ!!両思いになれたのか??」

『……い、いや そこまでは 分からない…けど…』カァァ

ばいきんまん「へぇー ほぉー けど?けど?どうした?」

『く、薬に頼って 恋を成就させようなんて やっぱり浅はかだなぁって…苦しくなっちゃって…』モゴ

ばいきんまん「はぁ?好きな奴を落とせたんならもうそれで良いだろー?何がダメなんだよ」

『邪道…かなって…』モゴ

ばいきんまん「あの薬を使っても、確実に成功するわけじゃないぞ。お前とソイツの可能性がゼロなら、引き合うことも無いんだから。」

『それって どーゆーこと…』

ばいきんまん「あの薬は、飲ませた相手にお前の魅力を知らしめる薬だ」

『……っんな…??』

ばいきんまん「お前の魅力が伝わらない相手に飲ませても、多分伝わらないぞ。
ま、試してないから知らないけどなー」鼻ホジ

『……っ』カァァ

ばいきんまん「ギャハハハ!また真っ赤になってやんの!!タコか!!」ゲラゲラ

『ホントは罪悪感で、どっか遠くに行っちゃおうかなって思ってたの…』

ばいきんまん「あ?どっか遠くって…それって何かメリットはあるのか?」

『……………やめてよ』

ばいきんまん「いや だって一人で悩んでバカみたいだな。好き勝手にやりゃいいだろ」

『うっさいなぁ……もう…奢るわ』

ばいきんまん「は?何だって?」

『お、お腹空いてるんでしょ?私のゴハンで良かったら 作ってあげる…よ』

ばいきんまん「はーん……礼のつもりか?」

『言及はしない…』

ばいきんまん「はっ そこまで言うなら食ってやっても━━」

ドキンちゃん「ばいきんまーん??」スッ

ばいきんまん「!!!」

『!!!』

ドキンちゃん「お薬って…なぁに?とっても興味があるわぁ〜」ニッコリ

ばいきんまん「いやその、それは あの」

ドキンちゃん「作って♪」

ばいきんまん「ひぇぇ いやでもあの薬は…」

ドキンちゃん「作りなさぁァァァい!!」ドカーン


それから二人の追いかけっこは、随分長い時間続いたとか…

うーん……ゴハンはまた今度ね……と そっとその場を去った私は感情を整理する。


ばいきんまんがドキンちゃんに惚れ薬を作らない理由は、
1,しょくぱんまんに魅力が伝わらない可能性
2,成功してラブラブの二人を見たくない
3,失敗した時の波乱を考えたら作りたくない

この辺だろうけど…

私にとって大事なのは、
カツブシマンの熱視線は 惚れ薬によって作られた感情ではないってことで

ことで………わ………
もしかして、私 好きで居てもらえてる……??よね……ど、どうしよう!!


━━━
━━



カツブシマン「………決めた…明日、こ、告白…す、するでござる!」スック

鉄火のマキ「へーぇ?誰に何を告白するんだい?」スッ

かつぶしまん「うわわわわわマママ、マキちゃん!!何故ここに…」ビックゥ

鉄火のマキ「こっちの方角から 何か唸り声が聞こえて来たからさ。誰か病人でも居るんじゃないかと思って来てみたのさ」

かつぶしまん「い、いや そ、そんな!」カァァ

鉄火のマキ「恋の病とはねぇ」ニヤニヤ

かつぶしまん「ひぇぇ 止めて欲しいでござる」カァァ

鉄火のマキ「おいおい、そんなにヘナヘナしてたんじゃ 伝わるもんも伝わりゃしないよ?もっとシャキッとしな!」

かつぶしまん「は、はい…」

鉄火のマキ「ほら、もっかい大きな声で!」

かつぶしまん「え、あ はい!好きです付き合って下さい…でござる!」アセアセ

鉄火のマキ「もっとハキハキと!」

かつぶしまん「す、好きです 付き合って下さい!でござる!」

鉄火のマキ「まだ固いよ!」

かつぶしまん「好きです!拙者と付き合って下さい!」


『何、ソレ……』

鉄火のマキ「フラウちゃん」

かつぶしまん「フラウちゃん!あ、コレは その」カァァ

鉄火のマキ「おい かつぶしまん、マズいって!早く弁解しろ!」

かつぶしまん「え?何を?」ポカン

『かつぶしまん、あのキスは…何だったのぉ!?』

鉄火のマキ「え キスって…そこまで進んでたのかい?何で付き合ってないんだい?」

かつぶしまん「だからこれから告白を…」カァァ

『も、もう知らない!!』ダッ

鉄火のマキ「ああっ かつぶしまん!バカ!フラウちゃんは勘違いしたんだよ!!」

かつぶしまん「え?勘違いって 何を?」

鉄火のマキ「今のあたい達の告白の練習を見て、かつぶしまんがあたいに告白してるように見えちまったんだろうよ!!」

かつぶしまん「何ィィィィ!?」ガガーン

鉄火のマキ「早く追いかけな!!」

かつぶしまん「ひぇぇ」ダッシュ





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あきゅろす。
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