NOVEL ROOM 精神力 ドン ドン 氷の壁を両手で叩く蓮。 蓮「仁!逃げろ」 仁「うわーー!!」 廊下を駆け抜け、階段を下りる仁 冷「フフフ」 笑いながら仁の後を歩いて追う冷 ドン 最後の一発は思い切り叩いたがそれでも割れなく、その場へ座りこむ。 蓮「くそぉ!!」 >蓮 どうする?このままじゃ、考えろ。そうだ・・・いちかばちかだ!やってみるか! ダダダダダダ 仁「はぁ、はぁ」 冷「いい加減に逃げるのはやめたらどうかな?」 走る仁に喋りかける後ろから話し掛ける。 シャー 変わった音に後ろを振り向いた。 仁「あ、足が」 仁が冷の方を見ると冷の足は氷に覆われており、スケートをしているようにすべっていた ダダダ ピンポーン パンポーン 蓮「聞け、仁ーー!!西の二階 集合室に来い!!いいな!?絶対に来い!!」 >仁 蓮!?アイツいったい何を・・・今はアイツを信じるか 仁は加速し曲がり角を左にまがった >冷 へー、校内放送を使うか・・・とことん面白い奴だ。ちょうどいい、友達が目の前で殺されるのを見せてやる方が面白いしな・・・少し付き合ってやるか 二階 西側 集合室前 仁「はぁ、はぁ」 ヘトヘトになりながらもようやくつき、扉を開けた。 ガラガラ 蓮「仁!!大丈夫だったか?」 肩で息をする仁に駆け寄る蓮 仁「あ、ああ」 シャー 仁「アイツが来る!」 蓮の左腕を掴むと奥まで走り出した ガラ 冷「フ、感謝してくれよ?わざと殺さなかったんだからさ?」 蓮「そんなのお前の勝手だろ?でも、会うの、最後かもしれないから言っておくよ‘ありがとう‘これでいいか?」 余裕の表情を見せる蓮 冷「最後とはどういう意味かな?」 冷静に聞く冷 蓮「そのまんまだけど?アンタの終わりってこと!!」 冷を指差し宣言する 冷「また、この前みたいな作戦を思いついたのかな?だが、今度はガキだからといって油断はしない」 鋭い眼差しを二人に向ける冷 蓮「残念ながら作戦なんてないから!」 ピク その言葉に反応する仁と冷 仁「お、おい・・・蓮・・・!?」 驚きを隠せない仁 冷「そんなのには引っかからないよ」 当然といえば当然の疑いを向ける冷 蓮「ま、疑うか・・・でも、ホントなんだよな。俺が分析した結果、導きだした勝利の方程式は‘全力で倒す‘それだけだ」 胸を張っていう蓮 それを見て唖然としていた仁がふきだした 仁「ハハハ、ハハ!確かにそうだな、全力を尽くすしかねぇな!!」 真剣な眼差しで冷を見る仁 冷「お前らふざけてんのか!!?そんなことでこの俺を殺せるわけがないだろうが!!」 怒鳴りつける冷 蓮「勝てるさ、俺たちは最後まであきらめない!」 仁「ああ。決着をつけようじゃないか!!!」 そういい冷に拳を向ける 冷「ククク、初めてだよ、お前たちみたいな奴は。今までの奴はどいつもこいつも最初は挑んできたくせに、追いつめられると今までの態度を豹変させ命乞いしてきたからな・・・いいだろう、お前たちの度胸に敬意を表すことにしよう」 今までとは違う空気が漂い始めた 仁「別に追いつめられてねぇけどな」 よほど気に入らなかったのか、はっきりと訂正した 冷「見せてやる、これが俺の本気だ‘獣形態(ビースト・フォーム)‘、‘ラーズ・ガズ・ウォート」 某ビル 高山の制服を着た少女が黒く長いバックを重そうに持ちながら非常階段を上がっていた。 コツコツ 屋上につくと、高山高校を見た。 ???「はぁー、ホントについてないわ、まさか寝坊するなんてね。でも、おかげで変なことに巻き込まれなくてよかったわー!にしても、白昼堂々と誰がウチの学校に変なものはって占拠してるんだか・・・目的意味不明ねもう。」 少女はバッグをおろすと、チャックを開け黒いビニールに包まれたライフルの部品を出すと手馴れたように組み立てだした。 ガサゴソ チャキ キイキイ チャキ ガチャ カチ ???「このビルからだと約1qか。まぁ、ビミョーね。このライフルで届くかしら?て、私にとって距離なんてモノは無意味に等しいか・・・何独りごと言ってんだろ。さて、どんな奴かしら?グランドは?アレ?何よあれは・・・まさかみんな・・・氷づけ?氷の能力者かしらね・・・。えーと、で、能力者はドコかしら ?・・・屋上・・・職員室・・・んー、アレ?集合室に誰か・・・って、アレ何?化け物???とウチの生徒??」 少女がスコープから見たモノは化け物のようなものだった。 集合室 パキパキ 仁・蓮「あ、あ」 仁「な、何だよそれ?なしだろ?」 仁と蓮の目の前には‘獣形態‘となった冷がいた 全身が氷で強化され、両肩は尖り長く、両腕は先ほどの右腕の盾の部分に氷のトゲがはえ、拳は先ほどより少し小さくなり指は長く刃物のように鋭くなった。足は太ももから足首まで厚い氷が覆い、膝は前の部分と左右にトランプのダイヤの形を細長くしたいかにも切れ味がありそうなものができた。足首より下は全体的に大 きくなり足の指は同様に長く鋭くなった。胴体の前は鎖骨の辺りから、氷の鎧が突き出し、腹の方はへこんでいた。背中の方は亀の甲羅の模様を尖らせ突き出ていた。顔の方は氷に覆われており、頭には前に一本突き出る氷の角、それ以外は氷で覆われていた。顔は氷で覆われており頬の部分が左右斜め外側に鋭く伸びており、口は 横に広がり氷こ牙が生えていた。鼻はとがり、目は鋭くなっていた。 仁「おいおい、反則だろ・・・」 急激に汗が流れてくる仁 ダダ 距離をつめ冷が右腕を仁に振り下ろした ザザ 恐怖を感じながらもかろうじて横に逃げる仁 ダダ 冷の左から近づき右手の刀を振り下ろしたが、‘キン‘という音とともに冷の左腕にガードされた。仁がそのすきをつき右手の拳で冷を殴りかかったが、右腕の盾に‘バキ‘という音とともにガードされた。 某ビル屋上 ???「うそでしょ?あの二人も能力者??他にもいたのね・・・はぁ、何だか頭が痛くなってきたわ。まぁ、ここは様子を見ようかしらね・・・面白そうだしねー♪」 集合室 冷「今なら、苦しまずに即死させてやるが?」 仁「遠慮しとくよ・・・というより死ぬ前提で話を進めるなよ」 苦笑いをしながらいい、後ろに飛び冷との距離を一定に保ちながらスキを伺う仁 バッ 蓮も後ろに飛び、冷に話かける 蓮「その力は?」 冷「これか?・・・さて、何から話せばいいかな・・・」 蓮「・・・・・・」 冷「最初俺がこうなっただろう日は惨劇だったさ・・・目を開けたら周りが血の海のようだったからな・・・二回目も・・・三回目もだ。記憶なんてなかった。だが、四回目は違った、この形態になるのが肌で感じれた、記憶もあった・・・だが、血の海だけは変わらなかった・・・制御できなかったからな、どんなに強い能 力でも制御できなければ意味がない。・・・‘制御するにはどうしたらいいか?自分の力を今よりも強化するにはどうしたらいいか?‘・・・。俺は何度もこの能力を使い耐えた、自分を進化させていった。頭のいいお前なら、そろそろ気づいているはずだろ?俺たちが今使っている力の源が何なのか?」 >仁 こいつ・・・ 蓮「精神力・・・だな・・・」 冷「そのとおりだ、精神力さ。これでわかっただろ?お前たちに勝ち目がないってな。俺とお前たちでは確実な差があるんだよ。それに精神力なんて今すぐ鍛えたからといってどうにかなるってもんじゃない・・・それに体を鍛えるのとは違い鍛えても目に見えないしな」 >蓮 クッ、やはり・・・ここまでか >仁 精神力・・・ 冷の勝ち誇った言い方にすぐに仁が反論した。 仁「こっちだってな、今まで結構ハードな人生歩んでるんだぜ!!」 その言葉で‘負ける‘と感じていた蓮も希望を取り戻した。 蓮「そうだ、俺たちはまだまだ行ける!せっかくクライマックスまできたんだ・・・もう少し楽しもうぜ!」 ドドドン 豪快な音とともに冷が集合室の壁をぶち抜き、隣にあったトイレを見た二人は恐怖を顔にはださないものの確実に感じていた。そして、蓮は精神力は自分たち二人の方が先に切れるということをひしひしと感じ一秒でも早くケリをつけたいと焦っていた 冷「フン、避けているだけでいいのか?」 蓮「クッ」 >蓮 このままじゃ・・・ 冷「ラバ・バース」 冷の右腕の肘より下を氷が包んでいき氷の槍が形成された 冷「死ね」 冷は蓮との間合いを詰め槍を蓮の心臓めがけて突き刺そうとしたがとっさに蓮は両手にいつもより大きい刀を出し左を下、右を上にし槍の先を刀の真ん中で受け止めた 冷「ほう、まだ諦めないか」 蓮「くそっ」 二人のやり取りを見て一瞬動けなかったが、すぐにチャンスと思い仁は自分に後ろを向けている冷に突っ込んだ ダダダ 仁「くらえーー!!」 大きな声とともに右手の拳を冷の背に叩き込んだ ドン 鈍い音が当たりを包んだ 仁「な、きいていない?」 仁の一撃をもってしても冷にはまったくダメージが見られず、仁は唖然とした表情を隠しきれなかった 冷「ククク、俺にダメージを与えるのは不可能だ!なぜなら、この形態での氷の強度はダイヤモンド並みだからな」 そう言い放ち右手の槍をもとの手に戻し、左に飛んだ 冷「フン、もうそろそろ決着をつけようと思ってね。こっちも今までいろいろな能力を使いすぎてね・・・限界が近いんだ。君達ももう限界が近いだろ?体力も精神力もさ・・・結構ボロボロじゃないか・・・次でお互いケリをつけよう」 蓮「ああ」 仁「俺もだ」 蓮「仁!俺はここで死ぬきはない・・・俺に命を預けてくれないか?」 仁「!いいぜ!!どうすればいい?」 蓮「お前は俺の後ろにつけ、感覚は10mくらいだ。俺が初めに奴に突っ込みできる限り奴の動きを止める、そうしたらお前は突っ込んで全身全霊をかけた拳を奴の腹にぶち込め!!いいな!?」 仁「わかった!生きてみんなに会おうぜ!!」 冷「何をこそこそと・・・まぁいいだろう、お前たちにお前たちに勝ち目はないんだからな!」 ダダダ 蓮「そういうのって、一番怖いんだぜ。なぜなら、相手の限界を勝手に決め油断しちまうからな」 冷に向かっていく蓮 冷「いくら、わめこうともこのダイヤモンドの強度を持つ氷は斬れん!!」 両手に氷の剣を出す冷 ドシュ 蓮は両手の手のひらを冷の腹に当て手ののひらからでたそれぞれの刀は冷の腹を貫通し背中に刀の先端の一部が見えていた。そして、冷の振り下ろした剣は蓮の両腕の肘からそれぞれ6本でた刀に防がれていた。 冷「ば、ばかな」 口から血を吐く冷 ダダダ 足音を聞いた蓮は一旦後ろに下がり左に頭から滑り込んだ。冷の手から力が抜け、冷の氷の剣を支えていた刀がなくなったことで冷の腕は力なくおろされ、剣が氷の地面に‘キン‘とあたるおとが響いた。 仁「おらーーー!!!」 仁の雄叫びともとれる声と同時に仁の拳は冷の腹に入った。その瞬間、冷のを覆っていた氷が砕け鈍い音が響き、冷は吹っ飛び壁に激突し、冷は壁にもたれる体勢となった 仁「はぁ、はぁ」 仁は太もも近くのズボンを両手で掴み荒い呼吸をした。それを見た蓮は立ち上がり仁に駆け寄り‘大丈夫か?‘と声をかけ‘大丈夫だ‘という声を聞き安堵のため息をつき仁の右側につき仁に肩を貸た時仁は気絶しそのまま冷のもとえ近づいていった 蓮「油断したな、あの槍の時俺はアンタの槍を受けととめていた。もう少し考えるべきだったな」 冷「ま、まさ・・か。あの戦闘の・・・間・・に成長した・・とでも?」 苦しそうに喋り、蓮に聞く 蓮「ああ、自分でも信じられないけどな。一か八かで賭けだったさ・・・受け止めれても、貫く自信はなかったからな。それに仁がここまでダメージを与えれるとも思ってなかったしな」 冷「は、まったく・・・恐ろしい・・・な。さぁ・・・俺を殺せ」 蓮「嫌だね!」 蓮のことばを聞き驚く冷 冷「な・・・何故?」 蓮「誰も殺したくないそんだけだ。理由なんてそれで十分だ。さぁ、勝ったんだ皆を解放しろ」 冷「ふざけるな・・・殺・・・せ」 蓮「そんなに殺して欲しかったらまた俺たちの前に現れろ!じゃあな。こいつを医務室に連れてかなきゃいかないんだ」 そういい180°方向を変える蓮 冷「今度、俺が・・・お前たちの前に現れる時は・・・今よりも強いぞ。そして・・・今度は確実に・・・殺すぞ」 蓮「いいさ、俺たちはもっと強いからな」 後ろを振り向かず、手をひらひらさせて出て行く蓮と仁 ドサ 集合室から出て1,2歩、歩いたところで蓮の体力の限界が訪れ仁に肩を貸したまま共に前に倒れた 集合室 冷「はは、まさか、ガキに見逃されるなんてな・・・」 ビル屋上 ???「嘘でしょ?殺さないなんて。何て甘い奴らなの・・・仕方ない私が殺すか。指輪も手に入るしね♪」 そういい、トリガーに人差し指をかけ、引いた。 チャキ ドン 集合室 冷「また、いつか奴らの前・・・」 キュン ビチャ 冷は頭を撃ちぬかれ辺りに血が飛び散った。 ビル屋上 ???「終わり、と♪あ、指輪回収しとこ。あ、あったあった★アレ?これは・・・まぁいいや。これももらっておこうかしら」 そういい笑う彼女の手中には二つの指輪とあるモノがあった [前へ][次へ] |