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今日は生徒会の仕事が早く終わった。と言っても月末じゃなければそんなに仕事はない。
苺の部活が終わるのを図書室前で待っていたら、久々に早苗に会った。廊下の壁に寄り掛かって相変わらずゲームがお友達だった。
「久しぶり」
僕が遠目から早苗に声を掛けると、凄く嫌そうな顔で二度見をされる。
「凄く嫌われたもんだな、僕も」
「うるさいなー」
早苗は嫌そうな顔をしながらも、ゲーム機をブレザーのポケットに仕舞った。僕の話を少なくとも聞く気にはなったのだろうか。
「なんでそんな遠くなの、あたしの視力苺先輩より低いの知ってての嫌がらせですか」
「いや、また殴られると思って」
殴られるって、早苗は苦笑いをして首を振る。
「昔と違うんだから、」
彼女は遠い目をして顔を上げると、図書室の扉が開く。出てきたのは早苗の彼氏だろうか。彼は僕に一礼をして階段を下っていく。
「あ、パパがたまには顔を見せろだって」
それだけ話すと早苗は彼氏の後を追って、階段を下っていった。
母さんの気分にもよるだろうな、僕は見えなくなった早苗の背中を見て譫言のように喋った。



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