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4 番外

昼休み。
テニスの壁打ち練習の音に紛れて、ばりんと威勢良く硝子の割れる音がした。

最近多発しているのが、昼休みに学校の窓を割って回るような一昔前の不良行為。首謀犯はとうのとっくに捕まったが、必ずとも生徒が改心すると決まっている訳でもない。更に硝子割りを見た他の生徒が、自分も割りたくなってやってしまうという可能性も無くはないのだ。
それらを踏まえ、割る奴は相当馬鹿なんだな、と呟いた学は生徒会室の一番綺麗な椅子に座ってくるりと回った。

突如、先程の硝子の音より更に威勢の良い足音が廊下から響いて来たかとおもえば、胡散臭い探偵が如何にも着てそうな、くたびれた茶色チェックのケープを身に纏った苺が、走ってきたそのままの勢いでドアを開けた。たたき付けられたドアの窓枠がびりびりと震える。そのドアの硝子は、先週捕まった硝子割り魔のせいでなくなっていた。

「学くん学くん事件だよ」
「またお前か」
「なんですか彼女が来てやったのに関わらず、その某准教授みたいな態度は。まあそこに惚れたから良いんですけど」

苺から目を逸らすべく、くるりと回って窓の外を眺めた学。それに関わらず、本当にお構いなくぺらぺらと言葉を重ねる苺。
今日で分かりました、犯人の犯行時間は決まってお昼。つまり昼休みの暇つぶしとしてしてる訳です。許せません!なぜならって、それは……、それは正義に反するからです!
そんな苺の言葉の呂律を流すように窓際に立った学は、丁度生徒会室の真下のテニスコート何気なく見下ろした。
すると、先程まで校舎の壁に壁打ちをしていたテニス部員が顧問に大声で怒鳴られていた。窓を割ってもまだ続けるか、と。

「謎、解明だな」
学は溜息がてら呟いた。



冷静彼氏×探偵彼女

(犯人はあの人です!じっちゃんの名にかけて!)
(お前の爺さんは専業農家だろ)




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あきゅろす。
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