[通常モード] [URL送信]

R E B O R N !


「おい、武! 獄寺先生に迷惑かけんじゃねーぞ!」
「分かってるって」
 山本が返事もそこそこに、店の奥へと駆け込んでいく。
 獄寺は苦笑すると、残っていたビールと寿司を食べ終えて会計を済ませ、山本に続いて店の奥へと入っていった。
「ホント、優しい先生だぁな」
 あんな先生が担任で本当に良かった、と剛は店じまいのための準備を始めたのだった。

「……で?」
 獄寺が山本の部屋に着くと、ベッドの上に山本が座っていて、こちらを睥睨していた。
「何だよ」
「びっくりさせすぎだろ、あんた」
 少し拗ねた様子の山本に小さく噴出し、獄寺は少しずつ距離を詰めていった。
「悪かったな、お前のびっくりした顔見たかったし、……何よりお前の親父さんの寿司は美味いから食いたくなった」
「当たり前だ、親父の寿司は世界一だからな」
 着ていたスーツのネクタイを緩めながら、それでもまだ不機嫌な山本の隣に座り込めば、息つく間もなくいきなり押し倒された。
「ちょ、…っと待てよ、がっつくな」
「うるさい、獄寺が悪いんだろ」
 少し放課後からやりすぎたか、とも思い始めた獄寺は、謝罪のつもりで山本の手の動きに反抗しなかった。
 たちまち、山本の手によって獄寺の上半身はすっかりはだけられてしまった。
「……やっぱ綺麗な肌してんのな」
「……っ、…」
 鎖骨の辺りを軽く撫でられて、獄寺の頬に赤みが差した。
 そのまま、あちこちにフェザータッチを繰り返されるものだから、獄寺はただ煽られるだけで辛く、本格的な愛撫を求めて腰をくねらせた。
「そうだ、獄寺…教えてくれよ」
 ふいに、顔を近づけて山本が意地悪く囁いた。
「な、にを…」
 乱れ始めた息の合間に問えば、更に山本は笑みを深くした。
「……獄寺流セックスレッスン」
「はっ!?」
思わず、全てを忘れて叫んでしまう。確かに、前から山本の施してくれる愛撫は雑で荒削りだとは思っていたが、特に下手でもないし、あえて指摘する気など毛頭無い。
「何だよ、教えてくれるって言ったろ?」
 そうだ、今思えば何を教えてもらうということは口にしていなかった。あれは単に部屋に呼ぶための口実だと受け取っていたから、可愛い奴だと思っただけだったのだが、こんな形で裏目に出るとは。
「な、…教えてくれよ、獄寺。どんなのが好きなんだ?」
 年相応の無邪気な笑みを向けられて、獄寺は瞳を揺らした。
 確かに、自分好みに仕立て上げられたら、それはそれでいいのかもしれない。しかし、どうやって教えるというのか。
 そうか、と獄寺は閃いた。そのまま静かに上体を起こすと、首を傾げる山本と向き合う形になる。
「と、とりあえず、服脱げよテメェ」
 言うと、山本が恥じらいも無く服を脱ぎ捨てる。野球で鍛えられている健康的な肌が露わになった。その逞しさに瞬間くらりと来て、しかし獄寺はその思いを頭を振って追い払った。


[*Back][Next#]

2/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!