R E B O R N ! 2 「おい、武! 獄寺先生に迷惑かけんじゃねーぞ!」 「分かってるって」 山本が返事もそこそこに、店の奥へと駆け込んでいく。 獄寺は苦笑すると、残っていたビールと寿司を食べ終えて会計を済ませ、山本に続いて店の奥へと入っていった。 「ホント、優しい先生だぁな」 あんな先生が担任で本当に良かった、と剛は店じまいのための準備を始めたのだった。 「……で?」 獄寺が山本の部屋に着くと、ベッドの上に山本が座っていて、こちらを睥睨していた。 「何だよ」 「びっくりさせすぎだろ、あんた」 少し拗ねた様子の山本に小さく噴出し、獄寺は少しずつ距離を詰めていった。 「悪かったな、お前のびっくりした顔見たかったし、……何よりお前の親父さんの寿司は美味いから食いたくなった」 「当たり前だ、親父の寿司は世界一だからな」 着ていたスーツのネクタイを緩めながら、それでもまだ不機嫌な山本の隣に座り込めば、息つく間もなくいきなり押し倒された。 「ちょ、…っと待てよ、がっつくな」 「うるさい、獄寺が悪いんだろ」 少し放課後からやりすぎたか、とも思い始めた獄寺は、謝罪のつもりで山本の手の動きに反抗しなかった。 たちまち、山本の手によって獄寺の上半身はすっかりはだけられてしまった。 「……やっぱ綺麗な肌してんのな」 「……っ、…」 鎖骨の辺りを軽く撫でられて、獄寺の頬に赤みが差した。 そのまま、あちこちにフェザータッチを繰り返されるものだから、獄寺はただ煽られるだけで辛く、本格的な愛撫を求めて腰をくねらせた。 「そうだ、獄寺…教えてくれよ」 ふいに、顔を近づけて山本が意地悪く囁いた。 「な、にを…」 乱れ始めた息の合間に問えば、更に山本は笑みを深くした。 「……獄寺流セックスレッスン」 「はっ!?」 思わず、全てを忘れて叫んでしまう。確かに、前から山本の施してくれる愛撫は雑で荒削りだとは思っていたが、特に下手でもないし、あえて指摘する気など毛頭無い。 「何だよ、教えてくれるって言ったろ?」 そうだ、今思えば何を教えてもらうということは口にしていなかった。あれは単に部屋に呼ぶための口実だと受け取っていたから、可愛い奴だと思っただけだったのだが、こんな形で裏目に出るとは。 「な、…教えてくれよ、獄寺。どんなのが好きなんだ?」 年相応の無邪気な笑みを向けられて、獄寺は瞳を揺らした。 確かに、自分好みに仕立て上げられたら、それはそれでいいのかもしれない。しかし、どうやって教えるというのか。 そうか、と獄寺は閃いた。そのまま静かに上体を起こすと、首を傾げる山本と向き合う形になる。 「と、とりあえず、服脱げよテメェ」 言うと、山本が恥じらいも無く服を脱ぎ捨てる。野球で鍛えられている健康的な肌が露わになった。その逞しさに瞬間くらりと来て、しかし獄寺はその思いを頭を振って追い払った。 [*Back][Next#] [戻る] |