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R E B O R N !


「誕生日おめでとう、獄寺」
 信じられない、きっとこれは夢だ。
「あーあ、山本に先越されちゃったよ。て、訳で…おめでとう、獄寺君」
 背後から肩を叩かれて、知る。夢ではない。自分よりもやはり少しだけ高い背、癖のある黒い短髪、引き締まった身体、そして何より、その声。全てが目の前の初めて見る男が山本武だと物語っていた。
 今日が誕生日だとすっかり忘れていたというのに、とんでもないサプライズプレゼントだ、これは。
「おいおい、何突っ立ってんだよ。今日は獄寺の誕生日パーティーの為に貸し切りなんだぜっ」
 顔を見たら言ってやりたい事は沢山あった。怒りも悲しみも喜びも、しかし形となってはくれなかった。
 口を開いたまま動くことのない獄寺を見詰めて、山本は優しく微笑む。その笑みは記憶のままだ。
「…オレさ、ずっと考えてたんだ」
 そう言って取り出したのは、色褪せてはいたが確かにあの日投げ付けた新聞紙だった。
「オレはやっぱ馬鹿だから、本当の所は良く分かんねェけど、でもコレって、要するに離れてもずっと好きで居られる人を好きになれって事だろ? …だから、ずっと想ってた、獄寺の事」
 本当に馬鹿な男だ。折角手を離してやったというのに。
 山本に視線を戻す。例え記憶が色褪せてしまっても、棄ててしまったとしても、この感情だけは何年経っても鮮明だった。変わっていなかった。
「獄寺…愛してる」
 そう、愛している。結局、どうあってもこの男が愛しかった。中学の頃から、ずっと、ずっと。
 答えの代わりに、獄寺は記憶より広くなった肩を抱き締める。もう、離すつもりはなかった。
 そんな二人を眺めて、全ての段取りを付けた綱吉は嘆息した。それでも、危うかった二人がやっと元の関係を取り戻した事は、二人をずっと心配してきた立場として素直に嬉しかった。
「……ホント、世話が焼けるよ」
 小さく呟いて、九月の抜けるように青い空を見上げる。
 ──願わくは、二人の行く末に祝福を。
 いつものように喧嘩を始めた二人を店の中へ押し込みつつ、綱吉はそんなことを小さく願っていた。


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あきゅろす。
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