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R E B O R N !


「少し用事あるから先に行くけど、折角なんだし獄寺君は学校見て回ったらどうかな。…あ、学校の方へはオレから連絡回すから大丈夫だし」
「いえ、それならオレもご一緒しますよ」
 元々綱吉の日本行きへ着いてきただけで、並盛に立ち寄ったのは綱吉が中学校を見たいと言ったからだ。特に用事もないので獄寺はあっさりと首を横に振ったが、綱吉は尚も詰め寄って来た。
「良いじゃん、四年振りでしょ、並盛。…昔の思い出に浸るのも良いんじゃないかな…」
 急に表情の翳った獄寺を見詰めて、それでもはっきりと綱吉が告げる。
 獄寺は曖昧な笑みを浮かべて、そっと視線を逸らす。何て不器用な人達なんだ、と綱吉は思った。
「…過去は過去です」
「でもさ…」
「ですが」
 尚も言い募ろうとする綱吉を遮って、確かに小さく見える校門越しに校舎を眺めやる。無意識に手を上着のポケットに向かわせて中を探り、そこにあるものをきつく握りしめる。荒れていた心が少しだけ静まった気がした。
「十代目がそこまでおっしゃるなら、オレは過去と向き合ってきます」
 一礼して校舎へと向かう。今度こそちゃんと向き合って、そして、忘れてしまいたい。
 ちくちくと痛む胸を抱えて歩み出す獄寺を、綱吉が引き留めた。小さく肯いて、取り出した紙切れを差し出す。
「三十分後に此処で。…獄寺君、…過去を大事にね」
「……はい」
 何故こんなに聡いのだろう、と獄寺は眩しく思う。きっと、風前の灯火のような心境など全てお見通しなのだろう。踵を返して去っていく背中を眺めて、獄寺は心の中で深々とお辞儀をした。もしかしたら、綱吉のことだ、始めから此処に来るつもりだったのかもしれない。けれど、そんなことはどちらでも構わなかった。
「──行くか」
 自分は今、自分の意志で此処に立っているのだ。


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あきゅろす。
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