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不思議な喫茶店
あれから……
あれから数年がたった。


カラン

「いらっしゃ〜……あ、ユキくん。こんにちわ」

ニコ

この喫茶店のマスターであるあかりさん。

「こんにちわ」

僕は、大分流暢に話せるようになった。

「おぉ!雪か、久しぶりだな?てか、今日はいつもと何か服ちげぇな?」

紅こと妖怪赤鬼が聞いてきた。

「うん、久しぶり!今日から中学生だから、制服着てるんだよ!似合う?」

「あぁ、似合ってるよ雪」

くぅこと妖狐九尾が僕の質問に答えた。

「孫にも衣装ってぇやつ?かなぁ」

「黒は、相変わらず眠そうだね」

ふふ

黒こと妖怪鴉天狗は、眠たげに曖昧な諺を言った。

僕は、昔と違いすべての妖怪に対し嫌悪感をいだかなかなった。
といっても、いだかなくなったのはここにいる妖怪の三人と、今はここにいない妖怪の一人だけであった。
まだ、雪の心の奥底には妖怪に対する嫌悪感と恐怖が深く植えつけられている。

もう一つ変わったことがあった。

「じゃあ、今日から一人暮らしか……今日の残り物持っていく?」

「え?そんな、お気遣いだけで十分ですよ」

そんな、些細な気遣いに雪は頬が緩んだ。

そう、今日から一人暮らしすること許された。
雪が中学生になると同時にもう、あの家とは縁を切ることになっていた。

「雪。一人暮らしは、大変だから頑張って料理とかは、あかり直伝だから安心して良いから」

「あ、うん!僕自信が体験してるから分かってるよ笑笑」

「あかりの飯はウメェからなぁ」

「あかりって何気に何でもできるよねぇ」

そう言えば、あかりさんは何気にハイスペックの持ち主だったなぁ

思い出してみると確かに色々出来ることを知った。
例えば、
裁縫も博識なところも結構文化系なのか、とおもった時期もあったがスポーツも凄かった。
剣道や柔道のときなどは、普段の柔和な雰囲気から一変して鋭い気迫を纏う。
だが、普段が普段なのでそちらの印象のほうが強く忘れられがちであった。

「はぁ、皆して酷いな」

あかりさんは、困ったよう笑みを浮かべた。

「しょうがないさ普段が普段なんだか」

「あぁ、まあ普段があれじゃな……仕方ねぇちゃ、仕方ねぇよな」

「もったいないねぇ」

「皆、“あれ”ってなにかな?」

あかりさんの後ろに突如ブリザードが吹き荒れた。

「「「ごめん(ね)(すまねぇ)」」」

「えー?聞こえないよ?」


















[*現実逃避する]

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あきゅろす。
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