不思議な喫茶店
no side
夕陽が完全に沈み空が、真っ黒な闇に包まれた。
先程雪がいた喫茶店は、今店を閉めていたが馴染みの客と呼べるような影が4つ、店の微かな光の中。写し出されていた。
だが、どれも“普通”の人間から見たら十分に“異形”と、しょうされるものばかりだった。
人々は皆、彼らのことを“妖怪”または、“アヤカシ”等と呼ばれいている存在である。
「なぁ、あかり“あいつ”がそうなのか?」
突然、一人いや一匹の妖怪である“妖弧”が先程雪に、話かけた喫茶店のマスター(あかり)に対し口を開いた。
「うん、あの子がそうだよ。てか、くぅ(妖弧)覗きはいけないことだよ?」
あかりの悪戯な笑顔が、諭すようなことを言っているにも関わらず、面白がっているようにも聞こえる。
「あかりにそういわれちゃあ、閉めぇだな?」
次にニヤニヤしながら話に入ってきたのはよ妖怪の“赤鬼”であった。
「どういう意味?紅(赤鬼)?」
あかりは、ニコニコな笑顔なのにも関わらず、後ろからブリザードが吹き荒れている。まぁ、目が笑っていないとも言う。
「ぅ……」
赤鬼は、青い顔のまま黙りこんだ。
「あ〜あ、あかりを怒らせたら一番だめってぇまだ、わかんないのぉ?相変わらずバカだねぇ」
眠そうなしゃべり方をしているのは、妖怪の“鴉天狗”である。
「うっせぇ!!一言多いんだよてめぇは!」
ポカ
「五月蝿いのは、紅だろ?」はぁ
「フフ、相変わらずの夫婦漫才?本当、くぅと紅は仲が良いんだから」
「「そんなことない(ねぇ)!!//////」」
「かさなってるよぉ?いい加減に認めれば良いのにぃ“俺ら、付き合ってますよ”って」
「「……え?////」」
二人は、同時に顔を見合せ言われている意味を、理解し顔を赤面させた。
「あ、やっぱりそうだったんだ!」
「そんなにバレバレだったのか……」
「もう、認めるしか無いだろうな……」
二人は、向かい合う形になりお互いを求めるようにまた、食べるように唇を貪りあった。
「はぁ、お暑いねぇ」
「全く、見せつけてくれるよね」
今日も賑やかな喫茶店だった。
だが、
どこか皆が皆どこか空元気だったことには、誰も触れなかった……
[*現実逃避する]
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