第52.5 新たな旅立ち
その日とある街から一人の女性が旅立とうとしていた。彼女のアパートの前には大きな馬車が止まっている。傍では物珍しそうに馬車を見ている子供達がいた。
「ミランダ引っ越すんだってさ」
「マジ?!」
「追い出されたんじゃなくて?」
部屋を人回し見た女性は鞄を持ち部屋の扉を閉めた。出口の方へおりて行く女性のそばを仲良さそうなカップルがすれ違う。
「今度浮気したら許さないから」
「わかってるよ、本当に愛しているのはキミだけだ」
女性は振り返りそのカップルを見て嬉しそうに笑った。管理人に鍵を渡し、最後の挨拶をする女性。
「お世話になりました」
「ああ、お元気で」
「あのコレ…汚した壁紙の張り替え代、ここに請求してください」
それを受け取った管理人は物珍しそうにそれを見る。
「どこだい?」
それを聴いた女性は口元を緩め笑った。そして自信に満ちた顔で言葉を返した。
「再就職先です」
女性…ミランダ・ロットーは新たな一歩を踏み出した。
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