第51夜 生き残るために
ドン
『おおぅ、派手にやってんな……ズリィ』
「アレン君達大丈夫かしら」
オロオロしているミランダをなだめる。
『大丈夫だろ。落ち着けって。いざとなったら俺も出るし』
「篠神君…」
『今は体力温存しておけ。装備型なのに直接発動してるからな……負荷は大きい。しかし…俺も戦いたい』
溜め息をつきながら先ほどの事を考える。
『よし、俺も戦う!』
「「駄目(です/よ)!」」
『えぇ…』
「主様、駄目デス」
『ぶーっ、暴れ足りねぇっての』
「とにかく、発動を解いて大人しくしててください」
アレンとリナリーに説教されています。先に捕まっていたのでどうも不安らしい。
『ちっ…分かったよ』
「神田と篠神が仲良い理由がよく分かった気がします」
「篠神君は……戦いたいの?」
『まあ…な。それが俺の本能みたいなもんだし……』
「本能?」
『元々あの機械側だったんだよ、俺』
「ええ?!」
リナリーが座っていた椅子に座りながら、服の装飾を弄る。
「な、ななななんでっ」
『生きるため、かな。アイツ等のリーダー?に拾われたんだ。訳あって此方に引き込まれたけどさ』
「じゃあ……あの子も、知ってるの?」
『……ああ、よく知ってるよ』
忘れたいくらいによく知ってる。また溜め息をつく。
まあ、ロードと戦わなくて良かったと言うか、最悪と言うか。そもそもノアと会いたくなかった。
ふとミランダを見ると手が震えている。不審に思いミランダの傍に近寄る。
『ミランダどうした?』
ミランダの額からかなりの汗が垂れている。
不味いな……もう負荷がかかってきてるか。もしまたあの怪我を今戦っているアレン達に戻されたら不味い。
『ミランダ、俺の分だけでも時間戻せ』
「そんなっ?!そんな事したらまたあんな怪我をっ」
『このまま、戦っているアレン達に時間が戻された方が最悪だ。分かるよな?』
「っ!……でもっそれじゃ意味ないわ」
『ミランダ』
「いやよっ…」
『ミランダ!』
「いやっ」
『いい加減にしやがれ!!』
「!!」
ビクッとなったミランダの肩をわざと強く掴む。
『テメェのワガママに付き合ってる場合じゃねぇんだよ!!このままだと俺達全員死ぬぞ!!』
「あ……」
『生き残るためにやれって言ってるんだ。分かるな?』
「…は…はい」
『俺は大丈夫だから……やってくれ、な?アレン達に頑張って貰うためにも』
肩からてを離し、笑いながらミランダの頭を撫でる。無言で頷いたミランダは泣いていた。
ちょっとやり過ぎたか?
『よしっ、後は頼んだ』
「……ごめんなさい」
ミランダの悲しい声と共に身体に激痛が走り、俺は気を失った。
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