第26夜 反省と終息
真っ二つに割けた片方は下へと落ちていった。流石リナリー、空中戦は強いな。
「アレン!無事か!?」
「なんとか…」
アレンの声が耳に届いたのでようやくホッとする。コムリンの半分が落ちたことにより、バランスを取り戻したエレベーターの科学班一味がリナリーへの声援を送っていた。
「ひょーーー!!」
「いいぞリナリー!ブッ壊せー」
「いっけー」
「カッコいいーーー」
「「「ブッ壊せ♪ブッ壊せ♪」」」
俺が助けた奴等を含めて科学班一同全員がブッ壊せコールをリナリーに送る。
「「「ブッ壊せ♪ブッ壊せ♪ブッ壊せ〜♪」」」
『……なんかムカつくぞ』
隣に来ていたトマと苦笑いをする。そもそもコムリン作らせたのテメェ等科学班一味のせいじゃなかったか。
リナリーは声援に答えるように足を上げた。瞬間だった。
「待つんだリナリー」
『げ……いつの間に』
コムリンの前に立ちはだかるコムイ。
ちゃんと押さえとけよ科学班一同……最もリナリーがこの状況許す筈がないけど。
その間にリーバーがアレンを背負って、よじ登っていた。
リーバーって体力以外にあるな。俺を背負って走って、アレンの服にずっとしがみついていたのによく疲れねぇよな。
「コムリンは悪くない!悪いのはコーヒーだよ!!」
「アンタ…」
「ゲ、室長っ」
「いつの間にあんなトコへ」
「罪を憎んで人を憎まず。コーヒーを憎んでコムリンを憎まずだ、リナリー」
「兄さん……」
リナリーは、リーバー達が移ったのを確認してから、容赦のない蹴りと一言を浴びせた。
「ちょっと反省してきて」
ドコッ!
コムイごとコムリンを思いっきり蹴飛ばした。下で爆発音が聞こえたが、まぁ無事だろう。
「なんだかなもう…」
『科学班一同……テメェらいっぺん逝ってこい』
「「「「「すみませんでした!!!」」」」」
マジの殺気付きで言ったら、全員が正座で謝ってきた。リーバーとアレンは、リナリーに救出され此方に着地した。リーバーが気絶したアレンを下ろし此方に近付いてきた。
「篠神大丈夫か!?」
『マジで……駄目だ。よぉリナリー…無事で良かった』
「ごめんね兄さんのせいで。庇ってくれてありがとう篠神。お帰りなさい」
『ただいま…リナリー……後頼んだ……』
「ちょっと篠神!?」
俺の意識はそこで途切れた。
(この暖かさに惹かれて俺は千年公を裏切ったんだ)
(守れるなら護りたい)
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