[携帯モード] [URL送信]
第24夜 絶対絶命

 


『ゴホッ……うぇ…気持ち悪い』

「ちょっと大丈夫ですか篠神!?」

「早く休ませないとヤバイかもな……篠神、イノセンス発動するなよ」

『しねぇよ……てか、する気力がねぇし』



ベッタリ手に血がついた。吐血とは本格的に負荷がかかってるな。



「おおーい無事かー!!」

「室長!みんな」



科学班一味がエレベーターに乗って降りてきた。皆ボロボロなのは言わずともコムリンのせいだろう。



「班長ぉ、早くこっちへ!掴まって」

「あ、アレンとトマと篠神も帰ってきたの?こっち来い、早く」ドンッ!「リナリィーーまだ、スリムかいーーー!?」

「『落ち着けお前ら…』」



あまりにもアワアワしている科学班一味にこっちが心配する。

コムイの野郎、後で潰す!!

不意に背後がゾクッとして反射的に横に飛び移った瞬間だった。コムリンが壁をぶっ壊して入ってきたのは。



「「「来たぁ」」」

『無事か!?三人とも』

「なっなんとか大丈夫です」

「篠神無理するなよ!」



出てきたコムリンに対して科学班一味が、エレベーターにある大砲を取り出した。



「科学班(インテリ)をナメんなよぉ!!」

「壊れーーー!!」

「!!」

『ちょっ待てジョニー!!』



ジョニーが大砲のレバーをつかんだのを見てコムイが反応した。嫌な予感しかしない。



「ボクのコムリンを撃つなあ!!!」

「!?」

カチッ



コムイがジョニーの顔に抱き着いて変な音がした。瞬間

ドルルルルルルルル――



「どわわわわっ」

『マジで後で覚えとけコムイっ!!!!』



ギリギリで避けた俺達。弾丸切れでようやく止まった連射。

思いっきりコムイを睨む。トマやアレンは未だしも今のでリーバーよく無事だったな。

アレンとトマは、はーはー言って青ざめている。



「何してんだお前ら!!殺す気か!!」

「押さえろ!」

「コムリンーー」

「縛れ!」

「は、反逆者がいて…」



コムリンはボコられたうえで縛られて、大砲の上に乗せられた。コムイはこれでだいじょう……



「ぐすっ……コムリン…アレンくんの対アクマ武器が損傷してるんだって。治してあげなさい」

「え゛?」

『テメェマジで一回逝って来やがれコムイ!!!!』

「損(ケ)傷(ガ)……」



前言撤回。口まで塞ぐべきだった。

コムリンが完璧に反応した。

今の状態でイノセンス使いたくないんだがっ!!



「優先順位設定!アレン・ウォーカー重傷ニヨリ最優先ニ処置スベシ!!」

ガシッ

「!」



コムリンの手がアレンの足を掴んで引き寄せた。



「わっ」

「『アレン!』」

「アレンを手術室へ連行ーーー!!」

「ぎゃあああ。何あの入口!?」



アレンの抵抗虚しく手術室と書いてあるドアへ引き込まれる。俺はスッと骨組みに手を当てる。

リーバーはリナリーを抱き起こしていた。頼れそうなリナリーは起きる気配はない。



「さあリーバー班長!コムリンがエサに食いついているスキにリナリーをこっちへ!」

「あんたどこまで鬼畜なんだ!」

『人が体調悪いときにふざけんじゃねぇぞコムイ!』



手術室の中でコムイみたいな機械が色々と持っているらしい。正直ゾッとする。



「手術♪」
「手術♪」
「とにかく手術♪」

「う…っ」

『アレン!イノセンスで壊せ!!』

「あっはい!イノセンス発動!!!」

「おおっ新しい対アクマ武器!」



アレンの新しい対アクマ武器なら壊せる筈だ。なるべくなら俺は発動したくないし。



フッ     プス

「ふにゅら?しびれるる」



不審な音がしたと思ったらアレンのイノセンスの発動が解け、アレンが倒れた。



『ちょっアレン!?』

「アレンーーー」

「ウォーカー殿ーーー!!」



一時の間が開いて俺とリーバーは後ろを振り返った。コムイが吹き矢を持っている。

アイツッいつの間に縄から抜けやがった!?



「室長ぉーっ!!!」

『コムイのど阿呆ぉ!!』

「吹き矢なんか持ってたぞ!」

「奪え!」

「だってだってあんなの撃たれたらコムリンが…コムリンが…っ!!」

「大人になってください室長!!」



科学班一味に再び捕らえられたコムイ。マジで一回逝かせてやるっ!!



「リ、リーバーしゃん…篠神……」

「『!』」

「リナリーをちゅれて逃げてくらしゃい…」

「アレン…」

『アレン!!』



アレンがコムリンの人形達に収容されかけていた。痺れていて身体は動かないどころか、舌も回らないらしい。



「ぱやく……」



リーバーが咄嗟にアレンの団服を掴むものの一歩遅かったらしく収容された。



「アレン・ウォーカー収容完了しました」

「アレンンンンーー!!」

『くそっ体調が良ければっ……』



トマがドンドン叩くも効果はない。コムリンが立ち上がり、トマは落とされた。リーバーは何とか掴まっている。



「!ちくしょお、次はリナリーかよ!!」

「エクソシストリナリー・リー。手術シマス」



リナリーの方向に歩き始めたコムリン。俺はリナリーの前に立ち、人形<ドール>の骨組みを取り出した。



『野郎っ……もうどうにでもなれっ!!』

「篠神やめろっ!!!」

「マッチョは嫌だーーー!!!」

『人形<ドール>発動!』



NEXT

[*前へ][次へ#]

2/17ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!