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第8夜 任務

 


「ぐーーーーーー」

「室長!コムイ室長!」

「んゴーーー」



上司を遠慮なく揺らたリーバーはもう手慣れている。殴ってみても反応がないコムイの耳の傍でボソッとリーバーがある一言を呟いた。



「リナリーちゃんが結婚するってさー」

「リナリィィー!!!」



するとあら不思議。ガバッと効果音がつきそうなくらい一発で飛び起きた、喚きながら。



「お兄ちゃんに黙って結婚だなんてヒドイよぉーー!!!」

「「「………」」」

「悪いな、このネタでしか起きねェんだこの人」



初めて見たアレンは「えぇ…」と言う感じで見ている。神田ですら「はぁ!?」と言う感じだ。ここまで喚き散らすのは久々だからだろう。リナリーにいたってはいつもの事なので哀れみの目でコムイを見ている。が、機嫌の悪い今流石にこれ以上聞きたくない。



『黙れ』

「ごめんなさぁぁい!!!!」






















「いやーごめんね。徹夜明けだったもんでね」

「オレもっスけど!」

『つうか万年ほぼ徹夜だろ』

「さて、時間が無いので粗筋を聞いたらすぐ出発して。詳しい内容は今渡す資料を行きながら読むように」

「「!」」

「はい、篠神」

『ありがと、リナリー』



リナリーに資料を貰い、軽くパラパラと最後までめくった。
なるほど、イノセンスで動く人形か。



「さんにんコンビで行ってもらうよ」



互いの顔を見てゲッという顔をした二人。



「このモヤシいらねェ!!俺と篠神で十分だろ!!!」

「え、何ナニ?もう仲悪くなったのキミら?でもワガママは聞かないよ。ちなみに神田くん、篠神くんが調子悪いからアレンくんも一緒に行くの」

『仲悪くする根本的な原因作ったの誰だったかなぁ?コ ム イ 室 長 ?』

「ごめんなさい!ボクです!!」

『話進めろ』

「はいっ!コホン…南イタリアで発見されたイノセンスがアクマに奪われるかもしれない。早急に敵を破壊しイノセンスを保護してくれ。じゃ準備して地下水路に集合」



そう言ったコムイの声にそれぞれ似たようなタイミングで立った。神田はスタスタ先に行ってしまった。隣に居たアレンを見るとバッチリ目があった。
    ・・
さっきのあれがあるから俺的には気まずい。

だが、アレンは気にしてないとでも言うように笑顔で話し掛けてきた。



「今回は宜しくお願いしますね、篠神」

『あ…あぁ、宜しくアレン』

「あの一つお願いしても構いませんか?」

『ん?』

「僕方向音痴なんで地下水路に一緒に行ってくれませんか?」

『それくらい別に良いけど…』

「篠神、僕は気にしませんよ。篠神は篠神です」

『!』



「俺は気にしない。お前はお前だろ」



『くっ………アッハハハ』

「「「!?」」」

『面白れぇ!!!あいつと全く同じ事言いやがった……仲悪いくせに………分かった、ありがとなアレン。頑張ろうぜ』

「はいっ!」



アレンの気持ちが素直に嬉しく、苛々が吹っ飛んだ。





白の初任務


(神田とアレン、似た者同士なのかもな)
(篠神は兄みたいな存在になりそう…)


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