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第7夜 夜明けの音色

 


物凄く綺麗で哀しい音が夜明けと共に響き渡った。
























『………ごめん、ジェリー。あれどう言う事か説明して』

「神田とファインダーの喧嘩をあの子が止めに入っちゃったのよ」



いつもの日課のヴァイオリンを弾き終わり、朝は人が少ないので食堂へと足を向けたら、神田を中心に騒ぎが起こっているのを目撃した。朝から大変迷惑な騒ぎだ。



『あーね。じゃ、ジェリーいつもの朝食よろしく』

「分かったわ、よろしくね〜」



俺はスタスタと神田とアレンの傍に行った。自然と道が空くのは、俺が神田を止められると知っているからだろう。



「アレンです」

「はっ1ヶ月で殉職なかったら覚えてやるよ。ここじゃパタパタ死んでいく奴が多いからな、こいつらみたいに」

「だからそう言う言い方はないでしょ」

「早死にするぜお前…キライなタイぶっ?!」



後ろから思いっきり神田を殴ってやった。



『神田、朝から五月蝿い騒ぎ起こすんじゃねぇ!!糞ウザいんだよ』

「…篠神」



驚いた目で俺を見ている神田を無視し、先程神田と言い争っていたファインダーに目を向けた。



『お前もお前らでうぜぇ。神田の言う通りだ。こんなところで仲間の追悼なんかすんな、飯が不味くなる。時と場所を考えろ。一人や二人の死にメソメソしてんなら教団から出ていけ、そんなんじゃ心が持たねぇぞ』

「なっ!?伯爵の手先だったお前に言われたくねぇ!!!」



自分の心が一瞬にして冷えたのが分かった。無意識のうちに攻撃しようとした俺を止めたのは神田だった。



「落ち着けっ!!篠神!!」

『好きで……好きで千年公の人形だったんじゃねぇんだよ!!!知ったような口聞くなっ!!』

「神月!!!」



神田に下の名前で呼ばれた瞬間、体に電撃が走った気がした。力なく俺はその場に崩れ落ちた。



「モヤシっ!コムイかリーバー呼んでこいっ!!」

「えっ!?あ、はい!!」

「おいっどうした!?」



アレンが走り出そうとした時だった。廊下を歩いていたリーバーが資料を置いて、走ってきた。



「禁句言われたんだよ」

「!!……お前達今すぐ室長室に来い。神田とアレンと篠神は10分で飯食って集合。任務だ」

「……今の篠神を行かすのは不味『了。一回部屋戻る』



今は教団に居る方が辛い。力があまり入らない身体を無理矢理立たせた。



「篠神、自分の顔見やがれ」

『無表情なのは分かってる。だから、自分の部屋に戻る』

「……モヤシ、遅れんなよ」



俺の首筋を急に神田は思いっきり叩いた。俺の意識は薄れた。
































「あの…リーバーさん」

「ん?あぁアレンは知らないよな。篠神の事だよな」

「…はい。伯爵の手先って……」

「それ、絶対に篠神の前では言うなよ。……あいつ100年以上生きてんだ、教団結成前からな」

「え!?」

「身体に変なもの封印されてるみたいで、年をとらないらしい。実際俺が教団に入ってから姿変わってない。ヘブラスカと…いやヘブラスカ以上に生きてんのかもな」

「それは伯爵のせいなんですか?」

「違うらしい。両親が封印したそうだ。身体の中に化物を入れたから、篠神は両親に捨てられた。死にかけだった篠神を拾ったのが伯爵だったんだ。だから、伯爵が好きに育てた……」

「篠神のさっきの無表情って…」

「そうだな、昔の事を掘り返すと元に戻りそうになる。まぁ何故か止められるのが神田なんだ。神田と篠神。両方が互いを必要としてるんだろうな。ま、いつも喧嘩しるんだけどな」

「仲が良いのか悪いのか分かりませんね……でも、篠神は良い人だと思いました」

「だったらアレンは大丈夫だな」

「そう言えば、今朝ヴァイオリンの音がなってましたけど…」

「篠神だな、いつも夜明けぐらいに弾いてる」

「………哀しい音をしてました」





元敵だった現最強


(凄く篠神と話してみたいと思った)


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あきゅろす。
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